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歩くことは生きること! 50歳を過ぎたら「足のメンテナンス」を

下北沢病院に日本初の「足病総合センター」、ウオノメから“足の心筋梗塞”にまで対応

 内山郁子=日経Gooday

足病総合センターと糖尿病センターという「2センター制」が、足の病気を総合的に診療し、治療して、再発を防ぐためには欠かせないのですね。

久道 そうです。足のトラブルの原因疾患として最も多いのが糖尿病ですから。糖尿病の専門医で、かつ糖尿病患者さんの足のケアに積極的に関わってきた富田益臣医師をセンター長に招いて、2016年5月に糖尿病センターを立ち上げています。

菊池 糖尿病の患者さんに足のトラブルが特に多いのは、足に傷ができても自分では気づかないことが多く、悪化させてしまいがちだからです。糖尿病による神経障害があると痛みを感じにくいですし、網膜症があると視力も低下して傷が見えにくいですから。そのため、足に傷ができていないかを日ごろから丁寧にチェックして、傷の原因になりやすい巻き爪やウオノメなどの手当ても早め早めに行う「フットケア」の指導がとても大事になります。

 最近は、糖尿病患者向けにフットケアの専門外来を設置して、患者指導などに力を入れる医療機関が増えてきています。我々はそこからさらに一歩踏み込んで、単に患者指導を行うだけでなく、実際に足の傷ができた場合の治療や、傷を作りにくくするための予防として靴の調整までも行っています。

足の耐用年数は50年、定期的なメンテナンスを

靴の調整まで行ってもらえるのは魅力的ですね。でも、ごく軽い足の病気で受診するのは気が引けてしまいそうです。糖尿病や、「下肢救済」が必要になるような重い足の病気はないけれど、足がなんとなく痛いといった「ちょっとした異常」でも受診してよいでしょうか。

菊池 もちろんです。当センターを初めて受診する患者さんの3分の1は、「足がしびれたり、痛みがある。でも、これまで受診した医療機関では原因が分からないと言われた」という人たちです。

長い人生、いつまでも自分の足で歩いてQOLを高く保てるよう、定期的なチェックとケアを。(c)halfpoint-123rf

 足に痛みやしびれがあって、病院を受診しても、レントゲンに骨折などの病変が映らなければ「何ともありません」と言われてしまいがちです。ですが、仮に骨の問題がなかったとしても、痛みなどの症状が出ているということは、運動器(骨や関節、筋肉、神経などの、体の動きを担う組織・器官)としての問題はあるわけです。

 そういう患者さんに対して、痛みやしびれがいつから、どんなタイミングで出るのかを詳しく問診したり、足の形に異常がないかを見たり触れたりして、痛みやしびれの原因がどこにあるかを調べます。画像診断も、レントゲンだけではなくエコー(超音波診断装置)なども使って、筋肉など骨以外の組織についても詳しく検査します。すると、例えば扁平足など足の構造上の問題とか、腱や関節に炎症が起こっているなど、症状の原因が見つかってくるのです。そこを治療することで、症状を和らげ、悪化を防ぐことができます。

 よく、「歯のかみ合わせが1mmずれたら背骨が曲がる」といわれますが、足も同じです。足に痛みがあると、それをかばうために膝が痛くなって、股関節が痛くなって腰が悪くなる、といった具合に、体全体に影響が表れます。足にも「耐用年数」がありますから。

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