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歩くことは生きること! 50歳を過ぎたら「足のメンテナンス」を

下北沢病院に日本初の「足病総合センター」、ウオノメから“足の心筋梗塞”にまで対応

 内山郁子=日経Gooday

一口に「足の病気」といっても様々なものがあります。どんな病気の患者さんを診ることが多いのでしょうか。

菊池守(院長) 足のウオノメやタコ、爪の変形といった比較的軽いものから、外反母趾、足の捻挫、骨折、さらには壊疽など、本当に幅広い疾患を診療しています。近隣の病院からよく紹介されるのは、「下肢救済(かしきゅうさい)」が必要な患者さんです。

 下肢救済とは、文字通り「下肢を救う」という意味です。放っておくと切断しなければならなくなるような病気になった足を手術して、切らなくても済むようにするのです。下肢救済が必要となる代表的な病気に、「足の心筋梗塞」とも呼ばれるASO(閉塞性動脈硬化症)があります。

足を救い、歩けるようにして、再発も防ぐ

「足の心筋梗塞」ですか! とても怖い病気のように聞こえるのですが、具体的にはどんな病気なのですか。

菊池 心筋梗塞は、心臓の血管が突然、塞がれてしまうことで起こりますよね。ASOも同様に、足の血管が詰まることで発症します。足の動脈にコレステロールなどが付着して、次第に細くなり、血行が途絶えてしまう。その状態を放っておくと足が腐ってしまいます。

形成外科医で「下肢救済」のスペシャリストでもある、下北沢病院院長の菊池守氏
形成外科医で「下肢救済」のスペシャリストでもある、下北沢病院院長の菊池守氏

 自覚症状としては、足の血行の悪化による症状、つまり「足が冷たいな」とか、歩いたときに筋肉が酸欠を起こして「痛いな」と感じます。特にふくらはぎに痛みやだるさ、こむら返りなどが出ることが多い。この段階で受診してもらえれば、「血行再建術」という血管を広げる手術をして、足を切断から救うことができます。

 ただ、残念ながら、足を救えた人が全員、歩けるようになるとは限りません。

 特にお年寄りの場合は、ASOで足に痛みが出るために歩かないでいたり、血行再建術を受けるために入院して寝たままになっていた結果、筋力が落ちてしまって、「足は助かったけれど歩けない」状態になることがあります。いわゆる「廃用症候群」という状態の一つです。すると、歩けるようにするためには手術だけではだめで、リハビリテーションが術後に必要になってくるのです。

 また、ASOのような足の血管病を起こすような人では、糖尿病高血圧など、動脈硬化を進行させるような病気を合併していることが非常によくあります。血行再建術で血管を広げても、糖尿病など原因となる病気を放っておいては、再び血管が詰まってしまう。再発予防のための治療や患者さんの教育も欠かせないわけです。

 当院の足病総合センターには、血行再建を行う血管外科、形成外科のほかに皮膚科、整形外科、リハビリテーション科など、足を救うだけでなく救った足を使えるようにする、歩けるようにするためのスタッフが集結しています。さらに「糖尿病センター」も併設しているため、糖尿病を合併している患者さんには、再発予防に向けた診療もできる。こうした下肢救済のための診療体制が整っている点が、当院の大きな特長だと思います。

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