大腸がん検診で受ける検査の長所・短所は?
40歳を過ぎたら年1回検診で早期発見を
大西淳子=医学ジャーナリスト
日本人に急増している大腸がんですが(関連記事「胃がん・肺がんを抜いて患者数1位へ 増える大腸がんの実態」)、早期に発見されれば治る可能性が高く、便潜血検査を中心とした大腸がん検診を定期的に受けていれば、大腸がんによる死亡率は低下することがわかっています。早期の大腸がんには症状はないので、40歳を過ぎたら年1回検診を受けることが推奨されています。
大腸の解剖学
大腸の構造と大腸がんの部位による名称は下図をご覧ください。日本人の大腸がん患者の場合、最も多いのが直腸がんで、大腸がん全体の35%を占めます。続いてS状結腸がん(34%)、上行結腸がん(11%)、横行結腸がん(9%)、盲腸がん(6%)、下行結腸がん(5%)となっています(*1)。
がん検診の目的
がんを早期に発見し、適切な治療を行う機会を提供し、がんによる死亡を減らすことが目的です。大腸がん検診に広く用いられている便潜血検査は安全で、実際に大腸がんによる死亡を減らせることが確認されています。
便潜血検査
がんやポリープなどからのわずかな出血を検出します。人の血液のみを検出するため、検査前の食事制限は不要です。安全、簡単、安価で、一般の人々を対象とする検診方法として非常に優れています。この検査を受けると10人に1人弱が陽性になります。それらの人には、精密検査として主に全大腸内視鏡検査が勧められます。
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/largeintestine/what/
