日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > トピックス  > 大腸がん検診で受ける検査の長所・短所は?  > 2ページ
印刷

トピックス

大腸がん検診で受ける検査の長所・短所は?

40歳を過ぎたら年1回検診で早期発見を

 大西淳子=医学ジャーナリスト

全大腸内視鏡検査

診断精度が非常に高い全大腸内視鏡検査。(©Rüdiger Rebmann-123rf )

 大腸すべてを内視鏡で観察する方法で、がんやポリープに対する診断精度が非常に高いのが特徴です。観察と同時に大腸の粘膜の細胞を採取し、詳しく調べることもできます。担当医の技術や経験の差などによって、苦痛が大きいときとそうでないときがあります。まれではありますが、検査前に2リットル程度の腸管洗浄液を飲むことによって、または内視鏡によって、腸管が傷つくといった事故が起きる可能性があります。

 日本消化器内視鏡学会が行った調査によると、2003年から2007年までの5年間の事故の発生頻度は0.078%で、検査関連の死亡率は0.00082%でした(*2)。一方で、検査の感度(その病気の人が正しく陽性と判定される割合)は非常に高く、95%以上と報告されています。

注腸X線検査

 便潜血検査で陽性になったけれど内視鏡検査はちょっと、という人に勧められる検査です。肛門からチューブを挿入してバリウムと空気を注入し、大腸の全部位のX線写真を撮影して病変を探します。全大腸内視鏡検査に比べると精度は劣ります。細胞を採取することができないため、問題が見つかったら、内視鏡検査を受けることになります。注入されたバリウムと空気でおなかが張ったり、バリウムのせいで便秘したりすることがあります。X線検査なので、わずかですが医療被曝が生じます。

S状結腸内視鏡検査

 人間ドックで便潜血検査と併用されることが多い検査です。大腸のなかでがんが発生しやすいS状結腸と直腸(肛門から20~30cmの範囲)を内視鏡で検査するもので、全大腸内視鏡検査に比べ苦痛が少ない代わりに、S状結腸よりも上(小腸側)は検査の対象にはなりません。

バーチャル大腸内視鏡検査(大腸CT検査、仮想大腸内視鏡検査、CTコロノグラフィ検査、大腸3D-CT検査とも呼ばれる)

 CTスキャンによって大腸を撮影し、内視鏡検査で得られると同様の3次元画像を短時間(10分程度)のうちに得る方法です。下剤は使いますが使用量は少なく、実際に内視鏡を用いる検査に比べ、事故が発生する危険性はわずかです。内視鏡では見えにくい腸のヒダの裏も確認できるという利点がある一方で、病変の色や硬さはわからず、組織の採取はできません。平らな病変など、検出しにくい病変もあります。医療被曝は避けられません。とはいえ、大腸以外の臓器についても情報が得られるという利点もあります。ただし、病変が見つかったら、やはり内視鏡検査が必要になります。

 大腸に何らかの問題があり検査が必要となったけれど、通常の内視鏡検査は困難(腸の癒着などにより腸の曲がりが強く、内視鏡の挿入が困難で危険を伴うと判断された患者や慢性疾患がある患者、高齢者など)と見なされた人には保険が適用されます(3割負担でおおよそ7000~8000円程度。全大腸内視鏡検査と同等)。

*2 消化器内視鏡関連の偶発症に関する第5回全国調査報告 ―2003年より 2007年までの5年間―. 日本消化器内視鏡学会誌. 2010;52(1):95-103.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/52/1/52_1_95/_pdf

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

  • 老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?

    “老けにくい”体にしたいというのは誰もが共通に思うこと。その老化の原因の1つとして最近注目されているのが「糖化」だ。この糖化、見た目の老化はもちろん、体内の血管や内臓、骨、関節などの機能低下にも密接に関わっているという。糖化リスクを遠ざけ、老化を遅らせるためには何を実践すればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、糖化の健康への影響から、その対策までを一挙に紹介しよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.