日に当たったところが赤く腫れたり、小さなブツブツができたりして、かゆくてたまらない…。そんな「光線過敏症」に悩む人が、初夏から夏にかけて多くなる。原因と対策を紹介しよう。
日光で皮膚のたんぱく質が変化、アレルギーを招く

炎天下に長時間いると誰でも日焼けをするが、普通なら何ともないような日差しで皮膚に異常が出ることがある。これが光線過敏症だ。日を浴びることで起こるアレルギー反応で、強い日差しに肌がまだ慣れていない初夏のころに起こりやすい。
ひふのクリニック人形町(東京都中央区)院長の上出良一氏によると、「いくつか種類があるが、特に多いのが『多形日光疹(たけいにっこうしん)』と『日光じんましん』」だという。
多形日光疹は、紫外線を浴びたところに赤い粟粒のようなブツブツができて、かゆくなる(写真1左)。日光に当たった日の夜や翌日に症状が出て、数日から1週間以上続く。10~30代の女性に多い傾向がある。
日光じんましんは日光に当たった場所がすぐに赤く、かゆくなる(写真1右)。ひどい場合は、みみず腫れのようになることも。ただし、日陰や屋内に入ると20~30分で症状が消える。
「日光を浴びることで皮膚の中のたんぱく質が変化し、アレルギー反応が起こる。多形日光疹はかぶれや湿疹のように少し時間が経ってから症状が現れる遅延型アレルギー。一方、日光じんましんはすぐに症状が出る即時型アレルギー」(上出氏)だ。