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新型コロナの外出自粛はいつまで続く? 専門家会議の岡部信彦氏に聞く

 堀田恵美=ライター

新型コロナウイルス感染症対策として、特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されて3週間余り。企業によるテレワーク導入や商店・飲食店などの営業自粛を受け、一見、国内の感染者数の伸びも減少傾向になっているかのように見える。一方、重症患者を受け入れる医療機関では綱渡りの状態が続き、医療崩壊は依然として目前にあるとも言われている。新型コロナウイルスの感染拡大の今後、特に、検査の動向と今後のわれわれの行動について、専門家会議メンバーである川崎市健康安全研究所・岡部信彦所長に話を聞いた(発言内容は2020年4月23日時点の情報に基づくものです)。

安心するのは時期尚早、医療崩壊の危機は去っていない

緊急事態宣言発令からおよそ3週間、新型コロナウイルスの日々の感染者数の伸びは少し落ち着いてきたようにも見えますが、専門家会議のメンバーでもある岡部先生は、今の状況をどのようにお考えでしょうか。

岡部信彦さん(以下、岡部さん) 感染者数の増加スピードは減少傾向になっているように見え、ありがたいことではありますが、「気を緩めるのはまだ早い」とお伝えしたいです。今、私たちが見ている数字は、約2週間前に感染した人たちの数です。この人たちと潜伏期間中に接触し、感染してしまった人が、これからまたたくさん発症してくるかもしれません。

図1 新型コロナウイルスの新規感染者数の推移(全国)
新規感染者の数は減少傾向に見えるが…。(2020年4月28日18時現在、厚生労働省ホームページより)

 新型コロナウイルス感染症は、感染しても8割くらいの人は重症化せず自然に回復する疾患ですが、一部の患者さんは、急激に悪化し、亡くなってしまうこともあります。母数である感染者数を減らさなければ、重症者の数も減りません。感染者の多い地域では、重症患者を受け入れるベッド数がひっ迫し、他の病気の新規患者を受け入れられないという事態も起きています。その上、院内感染も各地で見られるようになり、病院スタッフが発症してしまう、あるいは濃厚接触者として自宅待機を余儀なくされるなど、医療崩壊は目前にある状態はあまり変わっていないので、ここをなんとかしないと重症者を救えません。そのためにはベッド数を確保するのと並行して、なんといっても全体の感染者の広がりをさらに抑えなければいけません。まだまだ気持ちを緩めずに、感染しないよう、感染を広げないよう、ご協力ください。

日本国内でのPCR検査数がなかなか増えないことが、感染を拡大させているのでは、という意見もありますが、これについてはいかがですか?

岡部さん 日本国内のPCRなどの検査数は、欧米や韓国などに比べて圧倒的に少ない(*1)のは確かです。感染者数を確実にとらえ、適切な医療につなげるためには、できるだけ早く、さらに多くの検査が速やかにできるようにしたほうがいいと思っています。

 そもそもPCR等の検査は、検体数1=1人の検査、というわけではありません。1人につき複数部位から検体を採取することもありますし、患者さんの経過中に複数回検査をすることもあります。患者さんが退院する前には、陰性であることを2回確認することが必要です。このように、1人に対して何回も検査を行うケースが多いことを踏まえると、全体のキャパシティを広げることは必須です。またPCR検査だけではなく、新しく開発された方法を取り入れていくことも必要です。

 検査には試薬や機械が必要です。手間と時間と費用もかかります。慶應大学病院のように(*2)、一般患者からウイルスが持ち込まれ、院内感染が起こることを防ぐ目的で、コロナウイルス感染が疑われるわけではない新たな入院患者さんや術前の患者さんに検査を行うというのは意義があると思いますが、単に心配だからという理由で症状のない人全員にPCRなどの検査をするのは現実的ではありません。

*1 1日あたりのPCRの検査件数は、最大9369件(4月17日)

*2 慶應大学病院は、新型コロナウイルス感染症以外の治療目的で同院で手術または入院を予定していた無症状の患者を対象に、スクリーニング目的のPCR検査を実施。約6%(67人中4人)の陽性を確認したことを4月21日に公表した。詳しくは同院ホームページ参照。

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