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「真田丸」ファン必読!優れた戦国武将はなぜ健康寿命が長かったのか

「真田丸」登場の戦国武将にみる 健康寿命を延ばすコツ【前編】

 二村高史=フリーライター

なぜ家康は「米をふやかせ」と厳命したのか

 その命令は2つの意味で理にかなっている、と永山さんは言う。1つは、たとえ火を使って炊飯できなくても、水でふやかせば消化がよくなるという点だ。消化の悪い生米、しかも、現代のような白米ではなく、精米をしていない玄米をそのまま食べて腹を壊したら戦いどころではない。だが、水でふやかせば消化がよくなって栄養の吸収がよくなり、エネルギーが素早くとれるというわけだ。

 水に漬けるもう1つの利点は、玄米の成分であるGABA(ギャバ)が増えることだ。GABAはアミノ酸の一種で、血管を広げて血圧を下げる作用があるとともに、神経の興奮を抑える効果があるともいわれている。血なまぐさい戦いを終えたあとで、精神を安定させることは重要だったはずだ。

 もちろん、家康がそうした科学的なメカニズムを知っていたわけではないが、健康に関心が高かったために、経験的に気が付いていた可能性はあるだろう。

 「天下を取ってからも、家康は健康に気を配っていました。ぜいたくを戒め、麦飯を中心とする粗食を励行すると同時に、鷹狩りで仕留めた鶴、鴨、雉、山鳥などの肉も適度に食べて、バランスよく栄養をとり健康を維持していたのです。また、漢方薬についてもよく学び、薬草園を作ったほどです」(永山さん)

信長、秀吉、家康の3人を輩出した尾張・三河の食文化

八丁味噌が家康の健康を支えた!?(©jedimaster 123-rf)

 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という天下を取った3人の武将は、いずれも現在の愛知県(信長と秀吉は現在の愛知県西部「尾張」、家康は東部の「三河」)の出身である。同じエリアから日本を代表する武将が誕生した理由はさまざま考えられるが、「食生活も大きなポイントの一つでしょう」と永山さんは強調する。

 「今でも東海地方の食文化の一端を担っているのが八丁味噌です。日本国内にはさまざまな種類の米味噌や麦味噌が存在していますが、豆麹と大豆が原料の豆味噌は、この八丁味噌だけです。豆味噌は各種のタンパク質やビタミンを豊富に含むほか、大豆イソフラボンやレシチンなど、健康効果をもつ成分も多く含まれています。とくに、この八丁味噌をのばして、生姜やゴマなどを混ぜて焼いた“焼き味噌”は、信長、秀吉、家康をはじめ、彼らを支えた武将や兵士たちにとって栄養満点の欠かせない食料だったといわれています」(永山さん)

 そして、戦いの前に武将たちが鎧を身に付けて食べたのが「湯漬け」。これは、現代でいう「茶漬け」のこと。当時は、茶といえば抹茶だけだったので、冷たい飯には茶ではなく湯をかけて食べた。これに、よく焼き味噌や大根の味噌漬けを合わせて食べたのだそうだ。

 「湯漬けを食べることには、鎧をつけて戦に向かう前に、気持ちを落ち着かせる効果があったと考えられます。織田信長の行状を記した『信長公記』という書物には、有名な話として、桶狭間の戦いの出陣前に、信長が馬を引かせて湯漬けを食べたという記述があります。最終的に信長は、10倍近い兵を誇っていた今川軍に見事勝利を収めることができました」(永山さん)

 ※戦国武将に学ぶシリーズ、後編は明日(4月30日)、「デキる戦国武将は自律神経の切り換えに長けていた!?」「デキる戦国武将は自律神経の切り換えに長けていた!?」としてお届けします。お楽しみに!

※文中に出てくる人物の年齢は数え年。生年や没年は『日本史人物総覧』(新人物往来社)、『世界人名辞典 日本編』(東京堂出版)に基づく。
永山久夫(ながやま・ひさお)さん
食文化史研究家
永山久夫(ながやま・ひさお)さん

1934年、福島県生まれ。古代から明治時代までの食事復元研究の第一人者。長寿食や健脳食の研究者でもあり、長寿村の食生活を長年にわたり調査している。著書に『永山豆腐店-豆腐をどーぞ』(一二三書房)、『頭イキイキ血液サラサラの食事術』(講談社+α新書)、『和食の起源』『日本人は何を食べてきたのか』(青春出版社)、『万葉びとの長寿食』(講談社)などがある。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。西武文理大学講師。

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