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腎臓専門医に聞く、避難生活での4つの注意点

「食事」「睡眠」「運動」――少しの工夫で健康を守ろう

 中西奈美=日経Gooday

九州地方で最大震度7の地震が起きてから2週間が経った。家屋が被害を受け、不自由な避難生活を余儀なくされている人たちの健康状態が心配だ。そこで、避難生活において注意すべき点について、腎臓専門医でさいたまほのかクリニック院長の堀川和裕先生に話を聞いた。

塩分制限のある人は食事の取り方に注意

 「心臓病や高血圧などがあり、普段から塩分を制限されている人は、食事に気をつけてほしい」と堀川先生は語気を強める。ちなみに、堀川先生によると、塩分制限の必要がある人の目安量は1日当たり6~7gだ。「避難所で配られるおむすびやみそ汁、インスタントラーメンなどは塩分量が多くなりがちなので、おおよその塩分量を覚えておくといいでしょう」と堀川先生は指摘する。

表1◎ 食品と食塩相当量(いずれも100g当たり)
おにぎり0.5g
梅干し22.1g
(大きめのもの1個で約2g)
みそ汁
(即席みそ・ペーストタイプ)
9.6g
(1食相当で1.5~2g)
インスタントラーメン5.6~6.9g
「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より

 ただし、塩分にだけ気をつけていれば良いわけではなさそうだ。「塩分量だけを意識して食べる量を減らしてしまっては、エネルギー(カロリー)が少なくなってしまう可能性がある」と堀川先生。そのような場合は、塩分を含まない食品でエネルギーを補うとよいそうだ。

 例えば、飴やチョコレートといった糖質の多いものや、揚げ物や炒め物といった油分の割合が高いものがいいという。摂取カロリーが少なくなってしまうと、体力が底をついてしまい、その後の生活が困難になることもある。

 塩分制限の必要がない人は、厚生労働省『平成25年国民健康・栄養調査結果の概要』による日本人の平均摂取量(男性11.1g、女性9.4g)を上回らないようにまずは気をつけてほしいと堀川先生は話す。「極端に塩分を減らすと、これからの時期は気温の上昇とともに、熱中症の恐れが高まる」と堀川先生は懸念する。

「適度な運動」と「脚を伸ばして寝ること」で
エコノミークラス症候群を予防

 ふくらはぎは「第2の心臓」ともいわれる。重力によって、足の先まで下がってしまった血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしているのが、ふくらはぎの筋肉なのだ。自家用車の中など、狭いスペースで同じ姿勢をとり続けていると血流が滞りやすくなる。

 さらに、強いストレスを受けている状況下では、血液の粘性が高まりやすいという。こうした血液は、塊(血栓)を作りやすく、肺などの微小な血管に運ばれて詰まるということが起こる(エコノミークラス症候群)。エコノミークラス症候群を予防するためにも、堀川先生は「車中で避難生活をしている人は、可能な限り外に出て体を動かすようにしてほしい」と話す。

 なかなか運動するスペースや時間が確保できない場合は、座ったまま足先を動かしてみたり、手でふくらはぎをマッサージしたりしても、血行が良くなる。

 また、エコノミークラス症候群を予防するためにも、眠るときは足を伸ばして横になることが大切だと堀川先生は話す。さらに、下肢にたまった血液を心臓の方に流しやすくするためにも、脚を高くして寝る工夫も有効だという。

※エコノミークラス症候群の予防については、「エコノミークラス症候群は予防が肝心!足の運動に加え深呼吸も意識して」の記事も参考にしてください。

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