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加齢現象? 年齢ともに増加する「歯質の低下」

カルシウムを摂るだけでは歯質は強化できない!

 鈴木英子=ニューズフロント

 花王は20~60代の女性500人を対象に、歯質のケアに関する意識調査を2016年3月25日~27日に実施した。その結果から、歯質を強化するケアをしていない上に、歯質に関して正しい情報を知らない人が多いことが分かった。

酸によって歯の表層からカルシウムなどが流出する

 歯垢の下で酸によって歯の表層からカルシウムなどのミネラルが流出することを知っているか質問したところ、「知っている」との回答はわずか16.8%にとどまり、83.2%が「知らない」と答えた(図1)。

図1◎ 歯からカルシウムが流出することを知っているか                
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図2◎ 歯からカルシウムが流出することによって初期むし歯になることを知っているか
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 歯からミネラルが流出することによって初期のむし歯になることを知っている人は15.6%とさらに少なく、「知らない」が84.4%を占めた(図2)。

 口の中で気になることを聞いたところ、「歯質の低下」を挙げた割合は20代(9%)と30代(12%)が1割前後、40代と50代は2割以上(いずれも22%)、60代は約4割(37%)と年齢が上がるほど増加する(図3)。40代を境に比べた場合、40代未満は10.5%、40代以上は26.3%と倍以上に増加する。

図3◎ 口の中で気になることとして「歯質の低下」を挙げた割合
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カルシウムを摂るだけでは歯質は強化できない

 回答者の76.4%が「歯質は強化できるもの」と考えているものの、歯質を強化するために何か行っている人は12.6%にとどまった(図4)。

図4◎ 歯質を強化するために何か行っているか
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図5◎ カルシウムを多く含む食品を摂れば歯質は強化されると思うか
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 また回答者の80.0%は、カルシウムを多く含む食品を摂れば歯質は強化されると思っている(図5)が、これは誤った認識だと同調査は指摘する。歯は牛乳や魚などに含まれるカルシウムを摂取するだけで強くなることはなく、歯磨き粉に含まれるフッ素がカルシウムなどミネラルの取り込み(再石灰化)を促進し、歯質を強化する。

 回答者の大多数(89.4%)は口内のむし歯リスクが最も高くなるタイミングは「就寝中」だと認識しているものの、約2割(19.8%)が週2回以上、寝る前に歯磨きしないことがあると答えた(図6)。年代別ではその割合は40代(25%)が最も高い。

図6◎ 週2回以上、歯磨きしないで寝ることがある人の割合
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 口の中を健康に保つさまざまな働きがある唾液について質問すると、35.8%が「最近、唾液の量が減った」と感じ、特に40代(45.0%)は強く実感している。唾液はストレスや疲れ、加齢、薬の副作用などにより分泌が減少することがあり、その結果、歯質が低下するリスクが高まるおそれがある。