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熊本地震で今後心配される心の病「PTSD」、予防策は?

心の傷を負った人を孤立させず、「いつでもそばにいる」のメッセージを

 二村高史=フリーライター

一人で悩みを抱え込まず、周囲の人の助けを借りよう

PTSDという面から見て、今回の熊本地震には特殊な要素はあるでしょうか。

重村さん 大きな前震があったあとで、本震に襲われたというのが厄介な点です。通常の地震の場合では、しばらく余震が続いても、「そのうちに収まるだろう」と誰もが考えます。

 ところが今回は、最初の揺れのあとで徐々に収まっていくと思っていたら、前よりも規模の大きな地震に襲われてしまいました。その後も規模の大きな余震が続いており、余震の回数も震源の広がりも、気象庁でさえ「前例がない」というほどです。

 つまり、何が安全で安心なのか誰にも分かりません。まさに「安全感の崩壊」とも呼ぶべき状態で、被災者や救援者の方々の心労はいかばかりかと思います。

 しかし、ぜひ心に留めておいていただきたいのは、最初に言ったように、ストレスから回復する力は誰にでも備わっているということです。

 ただ、それでも人によっては、あまりの出来事に直面して、心に負った傷の深さが回復力を上回ることがあるかもしれません。そんなときは、一人で悩みを抱え込まずに、遠慮なく周囲の人の援助を受けるようにしてください。また、幸いにも心の傷が回復した方は、周囲に不調を訴えている人がいないか、ぜひとも見守っていただければと思います。

重村淳(しげむらじゅん)さん
防衛医科大学校 精神科学講座 准教授
上西一弘(うえにし かずひろ)さん

1994年慶應義塾大学医学部卒業後、1999~2006年防衛医科大学校精神科学講座助手を務め、2003~2005年には米国軍保健科学大学 精神科教室、トラウマティック・ストレス研究センター 客員研究員を兼任。2006~2014年防衛医科大学校精神科学講座講師を経て、2014年より現職。災害精神医学(特に、災害支援者のメンタルヘルス)を専門とし、東日本大震災の被災地には計60回派遣され、福島第一・第二原子力発電所職員、医療保健福祉関係者、遺体関連業務従事者、行政職員、一般住民などのケアに携わった。

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