筋肉量アップにつながる、たんぱく質のとり方 5つのヒント
筋肉とたんぱく質にまつわる最新研究(下)
福島安紀=医療ライター
「これまでの食事に1日当たり5~7gたんぱく質をプラスするだけでも筋肉量が増える」という注目すべき研究結果が、栄養分野で世界的な権威のある学術誌で発表されたことは前回紹介した。では、効率よくたんぱく質をとるにはどうすればいいのか。前回に続き、この研究をまとめた医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所身体活動研究部部長の宮地元彦さんに、具体的な食べ方のヒントを聞いた。
ヒント1:必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質を5~7gプラス

宮地さんと明治の研究で分かった最も注目すべき事実は、「体重1kg当たり0.1gたんぱく質を、いまの摂取量にプラスするだけで、2~3カ月で筋肉量が390gほど増加する」ということ。体重50kgの人なら5g、60kgの人は6g、70kgの人は7g、今よりたんぱく質をプラスすれば、ある一定量までは運動なしでも筋肉量を増やせるわけだ。
ただ、5~7gのたんぱく質といわれても、どんな食品をどのくらいの量食べたときにその量がとれるのか、すぐにイメージできない人も多いだろう。
「例えば、パンとコーヒーで朝食を済ませている人は、コーヒーの代わりに牛乳をコップ1杯(200mL)飲めば、6.8gたんぱく質が補えます。カフェラテで150mL牛乳を入れればたんぱく質は5gです。白飯を卵かけご飯にしたり鮭フレークを足したりしてもよいでしょう。サラダチキンや納豆なども、簡単にたんぱく質をプラスできる食品です」と宮地さん。例えば、セブン‐イレブンの「サラダチキンバープレーン」(60g)には13.4g、ローソンの「国産サラダチキンプレーン」(115g)には22.8g、納豆40gには6.6gのたんぱく質が含まれる。
たんぱく質には、肉、魚、乳製品などの動物性と豆、大豆製品などの植物性があるが、筋肉を効率よく増やすにはどちらがいいのか。
「筋肉を増やすうえでは、動物性、植物性どちらのたんぱく質でも差はありませんが、体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品をとることが重要です。そして、肉、魚、卵、乳製品、豆、大豆製品は基本的に必須アミノ酸が含まれている良質なたんぱく源なので、どの食品をプラスしてもよいです」(宮地さん)

