バイエル薬品と参天製薬は、糖尿病の3大合併症の1つである糖尿病網膜症について、予防に関する実態および意識調査(調査期間:2015年3月26日~27日)を実施した。その結果から、糖尿病網膜症による失明を減らすには、患者自身の積極的な予防への取り組みに加え、患者の十分な理解とスムーズな予防行動を促すサポートの重要性が浮き彫りになった。
糖尿病と診断を受けてから眼科を受診していない人は23.9%
糖尿病診療ガイドラインでは糖尿病と診断された際の眼科受診が推奨されているが、2型糖尿病患者1000人のうち、糖尿病の診断を受けて以降、眼科受診をしていない人は23.9%を占め、1年以上経ってから眼科を受診した人は37.0%にのぼった(図1)。
眼科を受診しない理由は、「糖尿病治療医から眼科を受診するように言われなかったから」(48.5%)が最も多く、「特に理由はない」(24.7%)、「日常生活に支障が出ていなかった」(22.2%)が続いた(図2)。これらの回答から、東京女子医科大学糖尿病センター眼科教授の北野滋彦氏は、「網膜症による影響の深刻さやその予防の重要性を、自分の事として十分な危機感を持って捉えきれていないようだ」と指摘する。
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- 網膜症と診断されても自覚症状がないことも
