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新型コロナの「真の感染者数」は50倍以上か 抗体検査から判明

米カリフォルニア州サンタクララ郡、住民の抗体保有率は2.5~4%

 大西淳子=医学ジャーナリスト

 新型コロナウイルスの感染者数が世界最多となり、深刻な状況が続く米国で、一般住民の抗体保有状況に関する興味深い研究結果が報告されました。

 米スタンフォード大学などの研究者が、米カリフォルニア州サンタクララ郡で、3000人を超える有志の住民に同ウイルスの抗体検査を行ったところ、その時点までにPCR検査で判明していた感染者数の50~85倍の人々が、既にこのウイルスに感染していた(抗体を獲得していた)と推定されたのです。論文は、専門家による評価・検証を受ける前の論文を公開する「medRxiv」に、2020年4月17日に公開されました(*1)

新型コロナウイルスにいつのまにか感染して抗体を獲得した人を含めると、地域の感染者は50倍以上?(C)scanrail-123RF

新型コロナと診断されずに抗体を獲得した感染者はどのくらい?

 現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかはPCR検査によって確認されています。この検査は、体内にウイルスが存在するかどうかを調べるもので、主な対象は、新型コロナウイルス感染が疑われる症状のある患者と、そうした患者の濃厚接触者となっています。発症から時間がたち、体内のウイルスの勢いが弱まって症状が消失すれば、PCR検査を行っても陰性になります。

 一方、最近になって耳にするようになった血清抗体検査は、新型コロナウイルスに感染した患者の体内で、ウイルスを排除しようと免疫系が働いたことによって生じた抗体を検出します。多くの患者の血液中に抗体が認められるようになるのは、発症から2週間後あたりと考えられています(*2)。抗体検査で陽性の状態が持続する期間は、現時点では全く分かりませんが、数カ月から数年ではないかと考えられています。

 したがって、住民に対して血清抗体検査を行えば、以下の人たちの新型コロナウイルス感染歴を知ることができます。

PCR検査が陽性となり診断が確定した後、治癒して抗体を獲得した元患者

発症してもごく軽い症状しか出なかったため、診断されないまま抗体を獲得した感染者

感染しても無症状だったため、感染にまったく気付かず抗体を獲得した感染者

 抗体陽性率(抗体保有率)は、集団の中に存在する、新型コロナウイルス感染歴を持つ人の割合を示します。

 今回、研究者たちは、カリフォルニア州サンタクララ郡(推定人口193万8000人)の住民における新型コロナウイルス抗体陽性率を調べようと、Facebookに募集広告を出しました。広告をクリックすると、郵便番号、年齢、性別、人種、併存疾患、臨床症状を記入するページが現れるようになっており、書き込まれた情報に基づいて、サンタクララ郡内の住民の特徴を反映する成人を、24時間以内に3285人選びました。それらの人々に、同居している小児を1人、採血の場に同伴することを許可したところ、889人の小児の参加が決まりました。

 これらの人々を対象に、2020年4月3日から4日まで、郡内3カ所でドライブスルー形式で採血を行い、標本を検査施設に送って、キットを用いた検査を行いました。

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