新型コロナ、サージカルマスクの表面で7日間感染力を示す
一般的な消毒方法はいずれも有効、香港大学の研究
大西淳子=医学ジャーナリスト
「付着する物質の種類」との関係:サージカルマスク表面で最も安定
新型コロナウイルスを含む液体を、様々な表面(コピー用紙、ティッシュペーパー、紙幣、サージカルマスク、ステンレス、プラスチックなど)に5µL垂らして、室温22℃、湿度65%の環境下に置きました。一定時間(0分、30分、3時間、6時間、1日、2日、4日、7日)が経過した後に、滴下点の上からウイルス輸送液200μLを追加してウイルスを回収し、感染価を調べました。
その結果、コピー用紙とティッシュペーパーの表面からは、30分後まで感染力を持つウイルスが検出されましたが、3時間後には検出できなくなっていました。紙幣の表面では2日後まで(4日後には陰性化)、ステンレス表面とプラスチック表面では4日後まで(7日後には陰性化)、感染性のあるウイルスが検出されました(表1)。
一方、驚くべきことに、サージカルマスクの内側では4日後まで、外側(表面)では7日後まで、感染力を持つウイルスが検出されました。内側のウイルスは7日後には陰性化していましたが、外側については、8日後以降は追跡しなかったため、ウイルスが実際に何日間感染力を持っていたのかは不明です。
「消毒薬」の効果:一般的な消毒薬はおおむね有効
続いて消毒薬(家庭用漂白剤や消毒用エタノールなど)の効果を検討しました(表2)。
室温22℃で、新型コロナウイルスを含む液15μLに、通常使用する濃度に希釈したさまざまな消毒薬135μLを加えて、5分後、15分後、30分後にウイルスの感染価を調べました。その結果、ハンドソープ液のみ、5分後に感染力のあるウイルスが残っていましたが、それ以外の条件ではウイルスは感染性を失っていました。
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- どのpHでもウイルスは感染力を維持