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「睡眠薬は止められなくなる」は誤解? 半数が1カ月以内で不眠症改善

抗うつ薬は睡眠薬と併用した方が減らしやすい

 鈴木英子=ニューズフロント

 ITを活用したマーケティング支援のインテージテクノスフィアは、睡眠薬処方の実態について調査した結果を発表した。それによると、睡眠薬を服用し始めると長期化するというイメージがあるが、短期の処方で不眠症の治療が終了するケースが多いという。

 調査は、健康保険組合の加入者で2013年4月~2015年3月に医療機関にかかった20~69歳の男女19万1000人分の匿名化された健康情報データをもとに、睡眠薬の処方とメンタル関連疾患について分析を行った。

 2013年7月以降に睡眠薬を新規に処方開始した人(1万245人)の年齢別処方率を見ると、20~24歳は2.9%、25~39歳は4.0%程度となり、40~44歳は4.6%、45~49歳は5.2%、50~54歳は6.3%と加齢に伴って上昇。65~69歳では9.4%に上る(図1)。

図1◎ 睡眠薬服用期間の割合(2013年7月以降に睡眠薬を新規に処方開始した人)
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 睡眠薬の処方期間は、「1カ月以内」が46.5%と約半数を占めた。74.6%が「3カ月以内」に処方を終了しており、不眠症が長期化せずに改善していることが推察される。

抗うつ薬と睡眠薬の処方された期間は?

 うつ病治療における睡眠薬の併用について見ると、2013年7月以降に抗うつ薬を新規に処方開始した人(1714人)のうち、睡眠薬を併用していない割合は52.6%、睡眠薬を併用して抗うつ薬終了と同時に睡眠薬も終了した割合は29.9%、抗うつ薬終了後も睡眠薬の処方を継続した割合は17.4%だった。

 4カ月以上抗うつ薬の治療が続いた人(1545人)を対象に、抗うつ薬の処方開始月と最新処方月(または処方終了直前月)の量の変化を比較すると、抗うつ薬の減量達成率は睡眠薬を併用しない場合で17.8%にとどまるのに対し、併用した人では30.2%に上昇する(図2)。

図2◎ 抗うつ薬減量達成率:睡眠薬を併用/非併用の比較(2013年7月以降に抗うつ薬を新規に処方開始し、4カ月以上続いた人)
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 また、更年期障害で通院している40~65歳の女性(2931人)について年代別の睡眠薬処方の割合を見ると、全体の平均は19.8%と2割を下回った。更年期障害の該当者が最も多い50~54歳と次いで多い45~49歳は特に睡眠薬処方率が低く(それぞれ19.5%と16.9%)、更年期女性の約半数が不眠と言われているにもかかわらず、適切な薬物治療を受けていない人が多いことが分かった(図3)。

図3◎ 更年期障害と年代別睡眠薬の処方割合(更年期障害に該当する40~65歳の女性)
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