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肌トラブルは全身の不調の表れ 皮膚科医が語る漢方の基本

皮膚科における、漢方の基本的な考え方と処方例

 伊藤和弘=ライター

 肌のトラブルは全身の不調の表れ。それぞれの患者の状態をしっかり診て、健康にすることで結果的に肌のトラブルも治すというのが漢方の考え方だ。

気・血・水は不調を測る物差し

 漢方では、体内の「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」がうまく巡ることで健康が維持されると考える(図3)。

 「気」とは生命エネルギーのこと。これが全体に不足している状態を「気虚」、気が逆流している状態を「気逆」、気の流れが滞っている状態を「気うつ」と呼ぶ(図4)。気虚には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)のような胃腸を丈夫にして体を温める薬、のぼせなどの症状が出やすい気逆には桂枝湯(けいしとう)のような気を引き下げる薬、気うつには気の流れを良くする作用のある半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを使う。

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 「血」は血液に似た概念。血の量が不足していることを「血虚」といい、皮膚が乾燥し、冷えを感じやすくなる。これには四物湯(しもつとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが使われることが多い。また、血の流れが悪い状態を「お血(おけつ ※『お』は『やまいだれ』に『於』と書く。以下ひらがな)」と呼ぶ(図5)。

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 「お血は運動不足、不規則な生活、冷たいものの飲食などにより表れ、女性がなりやすい。虫刺されやニキビの痕が黒く沈着しやすい人はお血の傾向があると思われます。舌を見ると、お血の舌は紫色になっています」(吉木さん)

 お血を改善する薬を「駆お血剤(くおけつざい)」と呼ぶ。当帰芍薬散、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が代表的な駆お血剤だ。

 「水」は「血」以外の水分のこと。リンパ液、胃液、唾液などを指す。むくみ、のどが渇きやすい、尿の出が悪い、ひざに水がたまるなど、全身の水のバランスが悪い状態を「水毒」と呼ぶ(図6)。水毒の改善には五苓散(ごれいさん)などが使われる。

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 「水毒になるとむくみやすく、雨が降ると体調を崩しやすいなどの特徴があります。老化によっても起こり、70代以上になるとほとんどの人に血虚と水毒があります」(吉木さん)

 以上の陰陽、虚実、気・血・水という概念をベースに、漢方では個々の患者に合わせた薬を処方していく。

 実際によく使われる処方を見てみよう。

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