ダイエットのためには、食事内容や運動のほかにも、影響する生活習慣がある。最新研究で判明しつつあるヤセ習慣を紹介しよう。 最新研究で判明しつつある「ヤセ習慣」を2回に分けて見ていく。今回紹介するのは「ぐっすり眠る」「きちんと体重測定」「いっしょに減量」の3つ。いずれも「すぐにできること」ばかりだ。(前回の記事はこちら)

<ヤセ習慣3>ぐっすり眠る
睡眠で食事内容に変化! でも、寝すぎもNG
睡眠不足の後の1日は、脂肪をたくさん摂取しやすいことが米国の研究で明らかになっている。
参加者を睡眠不足群34人と対照群12人に分けた。まず両群とも9時間の睡眠をとり、翌日に睡眠不足群は徹夜で、対照群は8時間の睡眠をとった。
結果、睡眠不足群は、徹夜している間に平均939kcalを摂取した。日中の摂取カロリーは、睡眠不足になった日も、睡眠不足になる前日も大きな違いはなかった。
ところが、その内訳を見ると、総摂取カロリーに対する割合が、睡眠不足になった日はそうでない日よりも、脂肪の割合が増え、炭水化物は減り、たんぱく質は変わらなかった。睡眠不足で「報酬」に関わる脳のネットワークが活性化するためらしい(Sci Rep.; 5,8215,2015)。一方で、ぐっすり眠ることで糖質の摂取量が減るという予備試験もある(Am J Clin Nutr.;107,1,43-53,2018)。睡眠が食事の内容に影響を与えるのかもしれない。
だが、寝れば寝るほどいいのか、というわけでもなさそうだ。睡眠時間が6時間未満、あるいは10時間以上になると、メタボリック症候群のリスクが上がることが、13万人以上を対象とした韓国の研究で判明。睡眠時間が長いほどメタボのリスクが下がるわけではないようだ(グラフ)。睡眠不足は食欲増進やエネルギー消費量低下に関わるホルモンの上昇が、寝すぎは睡眠の質の低下や運動不足、疲れの増加が一因となっているようだ。

