たまった疲れ、固まった体は「アクティブレスト」でリセット!
「ストレッチ」と「低酸素トレーニング」で日々の疲れを解消
氏家裕子=ライター
健康増進、運動不足解消など、低酸素トレの目的は意外と身近
肩甲骨と股関節がニュートラルな状態になったところで、次は低酸素トレーニングに挑戦する。

低酸素トレーニングとは、日常生活よりも、酸素が少ない環境で行うトレーニングのことで、アスリートが心肺機能を高め、パフォーマンスを向上させるためにストイックに活用するというイメージがある。
しかし「ここ1~2年くらいは、健康増進、ダイエット、運動不足解消、という目的で利用する人の方が多くなっています。なぜなら、低酸素状態では、体がいわゆる酸欠状態になることで、より多くの酸素を取り込もうとして血流が良くなり、糖質や脂質の燃焼が促進されるほか、日常生活と同じトレーニング負荷の運動をしても心肺により強い負荷がかかるので、忙しい人でも短い時間で効率よく心肺機能を高めることができるからです。関節や筋肉がまだ強い衝撃に耐えられず、長時間のトレーニングで脚を痛めがちなマラソン初心者にもおすすめです」とトレーナーの豊村純一さん。それは知らなかった!
また、低酸素状態では呼吸中枢が刺激されるので、呼吸が深くなり、意識的に正しい呼吸方法を覚えられることもメリットの1つだそう。疲労が蓄積されているとき、姿勢が悪いとき、デスクワーク中など、人は無意識のうちに呼吸が浅くなりがち。低酸素トレーニングでは、後述する酸素飽和度を指標にしながら、正しい呼吸を身につけていく。
無意識のうちに浅くなってしまった呼吸を元に戻す
今回は、70分間のパーソナルトレーニングに挑戦(このほか、40分間で行う3人までのグループトレーニングもある)。酸素の濃度は、標高に換算して、2000m、3000mが選択できる。今回は、富士山の8合目に相当する3000mでレッツ低酸素!
まずは低酸素ルームに入る前に、パルスオキシメーターを使って酸素飽和度をチェックする。
パルスオキシメーターとは
皮膚を通して動脈血の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数が測定できる小型の医療機器。
酸素飽和度(SpO2)とは
全身を流れる血液(動脈血)の赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを示す比率のことで、体の中に酸素を取り込む力の指標となる。
豊村さん 「酸素飽和度は95%以上あれば大丈夫です。94%以下の場合は、肺に病気がある可能性もありますのでトレーニングは不可能になります」
筆者 「99%あります!」
豊村さん 「いいですね。正常ですよ」

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