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新型コロナワクチンの疑問に日米の医師がLINEで回答

接種を考える人の疑問や不安に対応、Q&A書籍の発行も

 倉沢正樹=日経メディカル前編集長

 我が国では、2月に医療従事者への新型コロナワクチンの接種が始まった。そして4月からは、高齢者を皮切りに一般市民への接種開始も予定されている。

 こうした動きを前に、日米で新型コロナ患者の診療やワクチン接種に当たる日本人医師ら10人が、スマートフォンアプリのLINEを通じてワクチンに関する質問に回答する「コロワくんの相談室」を立ち上げた。その狙いと反響は──。

 「新型コロナウイルス感染症のワクチンは、多くの人が接種を経験したことがないため、不安を感じたり、ワクチンの有用性とリスクの間で悩んだりするのは当然のことです。そんな人たちの不安に寄り添って、1人でも多くの人の健康を守りたいという思いから、私は寝る間も惜しんで新型コロナワクチンについての原稿を執筆したり、メディアの取材を受けたりして、情報発信に努めてきました」

マウントサイナイ医科大学(米国ニューヨーク市)の山田悠史氏。写真は昨年12月に新型コロナワクチンの接種を受けているところ。今年2月にはNHKをはじめとする日本のテレビのニュース番組に登場し、その際の体験談を披露した。(写真は山田氏提供)

 こう語るのは、ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学の老年医学・緩和医療科に勤務する米国内科専門医の山田悠史氏だ。同氏は昨年夏に米国に赴任したが、日々の診療で患者から、新型コロナワクチンについて数多くの質問を受けてきた。一方で、新型コロナワクチンに関する問い合わせの電話が殺到し、ニューヨーク市や自身が勤務する病院の相談窓口がパンクする事態も見てきたという。

「コロワくんの相談室」で最初に出てくる画面と、マスコットキャラクターのコロワくん。

 「このままでは、日本でも同じことが起きる」。山田氏はそう確信したが、1人でできることには限りがある。そこで、日本や米国で働く医師や看護師などの仲間に声をかけ、一般の人たちに広く情報提供できる仕組み作りに取り組むことにした。山田氏の呼び掛けに応じたのは、感染症科医や呼吸器科医など実際に新型コロナウイルス感染症の診療に取り組む医師のほか、免疫学やアレルギー、公衆衛生の専門家など総勢10人。このチームの協力で誕生したのが、LINE公式アカウントに対応したチャットボットの「コロワくんの相談室」である。

 チャットボットとは、スマホで交わされる短い文章のやり取り(チャット)に対して、自動的に返信を行う仕組み。LINEの利用者が「接種方法や接種後について」「ワクチンの効果」「ワクチンの副反応」といったトピックから自らに当てはまる疑問を選択すれば、適切な回答が表示される。利用料は無料だ。

 山田氏らは1月下旬に準備を開始して、新型コロナワクチンに関する疑問や不安に関するQ&Aを60題ほど用意。約2週間の突貫作業で2月上旬のサービス開始にこぎ着けた。

「コロワくんの相談室」LINEの登録はこちらから可能
LINEアプリの「友だち追加」ページの「QRコード」から読み込むと利用が可能になる。

国内のテレビや新聞に加え海外メディアからも取材が

 サービスを開始した直後から、「コロワくんの相談室」には国内の主要メディアによる取材が相次いだ。日本テレビ系の『news zero』や『スッキリ』、TBS系の『あさチャン!』といったテレビ番組に加え、朝日新聞や読売新聞などの全国紙、さらにはロイターや米CNN、英BBCなどでも「コロワくんの相談室」が紹介された。

「コロワくんの相談室」におけるQ&Aの例。利用者がチャットで疑問や不安を選択すると、自動的に回答が表示される仕組みだ。回答の根拠となる海外論文のリンク表示も。
[画像のクリックで拡大表示]

 それに比例して「コロワくんの相談室」の利用者も急増。2月末の段階で5万人を突破した利用者は、3月20日現在約6万人に達している。また、「コロワくんの相談室」には定型のQ&Aのほか、利用者が山田氏ら専門家のチーム「コロワくんサポーターズ」に直接質問できる機能も備えており、毎日100件を超える質問が寄せられているという。

 山田氏は「日本でも新型コロナワクチンへの情報ニーズは高いと考えていたので、手応えは予想通りという感じです。ただ、1日100件以上の質問には今のチームの10人ではとても対応できないので、協力してくれる医師など専門家の輪が広がっていけばいいな、と考えています」と話す。

 こうした活動は現在、山田氏ら有志のポケットマネーで運営されているが、利用者の拡大に伴い、システム利用にかかる費用が膨らみ始めているという。そこで山田氏らは、システム費用とプロジェクト運営のための事務局費用に充てるため、500万円を目標とするクラウドファンディングを募っている。

自治体との協力や書籍出版も

 サービス開始から1カ月半が過ぎた「コロワくんの相談室」は、新たな展開も見せている。3月1日からは千代田区との協力により、千代田区民を対象にしたQ&Aの提供サービスをスタートさせたのだ。「コロワくんの相談室」のチャットで「千代田区」と入力すると、千代田区内の接種開始日や会場、予約方法などが案内される仕組みだ。

 さらに山田氏らは今、LINEを利用していない人にも情報を届けるため、「コロワくんの相談室」の書籍化にも着手している。これまで提供してきたQ&A60題に、日常生活で悩むであろう身近な疑問など40題を加え、100問100答の書籍にする計画だ。「私たちの取り組みが、1人でも多くの人の疑問や不安の解決につながるよう願っています」と山田氏は話している。

日米で診療にあたる医師ら10人が総力回答!
新型コロナワクチンQ&A100

「コロワくんの相談室」がその内容をパワーアップして本になります。「ファイザーとアストラゼネカのワクチン、どこが違うの?」「新開発のワクチンの仕組みはどうなっているの?」「新型コロナワクチン接種後に副反応が起こったらどう対処すればいいの?」など、みんなの疑問、不安にしっかり答えます!

著 者:コロワくんサポーターズ
発行日:2021年4月26日
価 格:990円(10%税込)
発 行:日経メディカル開発

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