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尿1滴でがん診断、「線虫」の嗅覚で実現

 大下 淳一=日経デジタルヘルス

感度96%、特異度95%

 研究グループは以上の結果に基づき、線虫の嗅覚を活用したがん診断テストの精度を調べた。具体的には242検体(がん患者が24、健常者が218)の尿について、線虫の反応を調べた。

 この結果、がん患者24例中23例が陽性を示し、健常者218例中207例が陰性を示した。すなわち、感度(がん患者をがんと診断できる確率)は95.8%、特異度(健常者を健常者と診断できる確率)は95.0%だった。同じ被験者について同時に検査した他の腫瘍マーカーに比べると、感度が圧倒的に高かったという。

 がん患者24例中5例については、尿採取時点にはがんが判明しておらず、2年後の線虫嗅覚テストの時点までに判明した。また、がん患者24例中12例はステージ0または1の早期がんで、すべて陽性だったという。

がん種の特定にも道

 今回の手法では、現状ではがんの種類を特定できない。この点についても既に、特定のがんにだけ反応しない線虫株を作製することに成功している。これを使えば例えば、野生型線虫が誘引行動を示し、大腸がんには反応しない線虫株が誘引行動を示さない場合には、大腸がんだと診断できるという。

 今回の研究を主導した九州大学 味覚・嗅覚センサ研究開発センターは、2014年7月に応用医療センシング部門を設立。線虫嗅覚によるがん診断テスト「n-nose」の基盤技術の開発と実用化に向けた取り組みを始めている。また、センター全部門が協力し、匂いによるがん検知のデバイス化も行う計画。n-noseの自動化とシステム化については、日立製作所およびJOHNANと共同で、早期の社会実装を目指して研究開発を進める。

この記事は、日経デジタルヘルスからの転載です。

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