日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > トピックス  > 爪水虫、かゆくなくても油断大敵! 転倒の原因、家族への感染リスクも高い
印刷

トピックス

爪水虫、かゆくなくても油断大敵! 転倒の原因、家族への感染リスクも高い

爪水虫の正しい対処法

 及川夕子=ライター

水虫は、日本人の5人に1人が持っている身近な感染症。再発や再感染も多いため「病院に行ってもどうせ治らない」「たかが水虫」と思い込んではいないだろうか。しかし、それは誤解。正しく治療すれば水虫は治せる病気だ。中でも爪にできる「爪水虫」は、水虫の原因となる白癬菌の温床となりやすいので注意が必要。水虫への誤解や爪水虫の正しい治療法について、医師と団塊シニアの会主催の爪水虫をテーマとしたメディア勉強会で埼玉医科大学総合医療センター皮膚科教授の福田知雄さんが語った。きっちり治して「家族に嫌われるかも、うつしてしまうかも…」という心配ともさよならしよう。

写真はイメージ=(c) Henadzi Pechan-123RF

「水虫は足にできるもの」は誤解

 「水虫は足にできるもの」「水虫はかゆいもの」「水虫はかゆみがなければ放っておいてよい」「爪水虫は完治できない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、これらはすべて誤解だ。

 まず「水虫は足にできるもの」という誤解についてだが、水虫は、白癬菌というカビの一種が皮膚の角質層に感染して起こる病気。角質層のあるところならどこでも、つまり足に限らず、実は頭、顔面、首、太ももの内側、手など体の様々な部位で生じ得る。足にできるものを足水虫(足白癬)、爪にできるものを爪水虫(爪白癬)という。

 白癬菌は、皮膚の角質層や爪の中にあるケラチンを栄養源として増殖していく。ただし、菌が皮膚に付着するとすぐに水虫になるわけではなく、付着した菌が角質層に入り込み、繁殖しやすい環境にあった場合に感染が成立する。白癬菌が付着すると最短24時間で感染が成立する可能性があるとされ、皮膚の付着部に傷などがあると、12時間程度で感染してしまうというデータもある(*1)。

 「水虫=かゆい」とも限らず、爪水虫のようにかゆくないものもある。爪水虫の三大兆候は「爪が厚くなる」「爪が白く濁る」「爪がもろくボロボロになる」であり、ほかに、爪に縦線が入る、爪が浮いてくるなど多彩な症状が見られる。

 ちなみに、「水虫は靴を長時間履き続けているビジネスパーソンに多い」という印象があり、確かにそうした層には多いが、爪水虫に限定すると、男女とも高齢になるほど増えるという特徴がある。日本臨床皮膚科医会の調査では、足水虫が5人に1人の割合であるのに対して、爪水虫は10人に1人(*2)。60歳以上の男性では実に3~4人に1人、女性では4~5人に1人の割合で爪水虫が見られるという(*3)。

 「爪水虫が高齢者に多い主な理由は、水虫を持ったまま年をとっていく人が多いことが挙げられます。足水虫があると、その白癬菌が爪の先端や側縁から爪の下に侵入して増殖することで爪水虫になりやすい。しかも爪の水虫は、痛くもかゆくもないため放置されがち。そして爪水虫があるままだと、せっかく足水虫を治しても、爪の白癬菌が足の皮膚に感染して足水虫がぶり返します。このように、足水虫と爪水虫は『足から爪』『爪から足』へと白癬菌が動くピンポンのような関係にあります。つまり、両方同時に治さないと感染を繰り返す可能性があるのです」と福田さんは指摘する。

 「水虫はかゆみがなければ放っておいてよい」というのが誤解である理由の一つがまさにそれなのだが、水虫を治さないと困る理由はまだある。自分の中で感染を繰り返すだけならまだしも、家族の中に水虫の人が一人いると、同居する家族にもうつしかねないということだ。

*1 日本皮膚科学会 HP 皮膚科Q&A 、二宮淳也,日本医真菌学会雑誌.2000;41(1):5-9.
*2 渡辺晋一ら,日本皮膚科学会雑誌, ,2001;111(14):2101-2112.
*3 Watanabe S, et.al. J Dermato

1/3 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • かかると怖い!「膵炎」「膵がん」

    激痛に襲われる「急性膵炎」や、発見しにくく5年生存率が極めて低い「膵がん」など、膵臓の病気には厄介なものが多い。今回は、膵臓という臓器の役割や、膵臓の代表的な病気である「膵炎」「膵がん」の怖さ、早期発見のコツをまとめていく。

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.