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がんになったらお金はどうする? 看護師FPが伝授する、制度の徹底活用法

『がんになったら知っておきたいお金の話』著者インタビュー:黒田ちはる氏

 千田敏之

社会保険労務士とFPが2人1組で相談に

がん患者さん専門の家計相談事務所とのことですが、具体的にはどんな働きを。

黒田 「がんと暮らしを考える会」に所属し、この会と契約している病院へ行き、患者さんの相談に乗るというのが基本的な仕事です。社会保険労務士とFPが2人1組で、患者さんと病院の会議室などのスペースを使って1時間ほど話をします。その他、講演会などで「がんとお金」の話をしたりします。

患者さんが支払う相談料は?

黒田 病院と「がんと暮らしを考える会」の契約ですので、患者さんご自身の負担はありません。

契約している病院でないと相談は受けられないのですね。

黒田 無料相談はそうです。「がんと暮らしを考える会」は今、全国で8つの医療機関と契約しています。順天堂大学医学部附属浦安病院、兵庫医科大学病院、埼玉県立がんセンター、石川県がん安心生活サポートハウスはなうめ、防衛医科大学校病院、さいたま赤十字病院、国立国際医療研究センター病院などです。

 病院で医療ソーシャルワーカーが一度相談に乗って、「これは経済面が大変そうだ」という患者さんをピックアップ、専門家への相談を勧めて、相談したいという人に予約を取っていただき、我々がその病院で話をうかがう、という流れです。患者さんには事前に連絡して、当日は家計や資産の状況がわかる資料や、ローン返済表などを持参してもらいます。

「がんと暮らしを考える会」とは

最後に、黒田さんが所属しておられる「がんと暮らしを考える会」について、簡単にご紹介下さい。

黒田 2011年から活動しているNPO法人です。がんにかかることで患者さんに生じる経済的な問題と仕事の問題を、医療関係者と共に解決できるよう、(1)がん制度ドック、(2)「お仕事・お金」の個別相談、の2つの事業を行っています(図参照)。がん制度ドックは2013年にオープンした、がん患者さんが使えるお金に関連する制度を検索できる無料のサイトです。3コインサポーター(一般市民による毎月300円の支援活動)など、皆さまのご支援により継続できています。

図 NPO法人「がんと暮らしを考える会」の活動の概要
図 NPO法人「がんと暮らしを考える会」の活動の概要
(イラスト:せきこ)NPO法人「がんと暮らしを考える会」のホームページはこちら
[画像のクリックで拡大表示]

 「お金とお仕事」の個別相談事業は先にも述べたように、契約している病院に出向いて、患者さんの相談に乗る事業です。資産・金融商品の専門家であるFPと、労働法と社会保険(年金や健康保険)の専門家の社会保険労務士が2人1組で担当します。

会員はFPや社会保険労務士の方が多いのですか?

黒田 そうです。ただ、社会保険労務士はある程度人数はいるのですが、FPの数が足りません。社会保険労務士の役割は、がん患者の就労支援ということで、がん対策基本法の計画の中にも明記されているのですが、FPの役割はまだ明記されていないことも影響して、この分野でFPが活躍できるということがまだ周知されていないのです。FPの方にも是非、「がんと暮らしを考える会」の活動に関心を持ってもらいたいと考えています。4月より新しい事業としてがん患者さん向けの制度とお金の講座「がん制度大学」がはじまります。今後も様々な方法で患者支援を続けていきたいと思います。

(聞き手:千田敏之)

黒田ちはる氏
黒田ちはるFP事務所代表/NPO法人がんと暮らしを考える会事務局長
黒田ちはる氏 看護師としてがん患者やその家族のケアに携わる中で、経済的なつらさが身体や心に影響を及ぼしていることを目の当たりにし、ファイナンシャル・プランナーを志す。現在、FPとして医療機関などでがん患者さんの家計相談を行うほか、講演会やテレビ出演などで「がんとお金」の問題の大切さの啓発活動も行っている。

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