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追いついた? 進化したAndroid系スマートウオッチをApple Watchと使い比べ

活動・睡眠の記録は互角、高級感のあるデザインが人気

 佐藤信正=ライター

 健康管理にも使える腕時計型のウェアラブル端末(スマートウォッチ)。米アップルがiPhoneと連携して動作する「Apple Watch」を発売してから約1年が経ち、腕時計型端末を使うシーンが少しずつ広まっている。

 米Juniper Researchの調査によると、2015年におけるスマートウオッチの販売台数シェアはApple Watchが52%でトップだが、iPhoneの対抗勢力となるAndroid系のOS(基本ソフト)を採用するスマートウォッチも増えてきた。数年後にはApple Watchのシェアに迫るという予測もある。

米アップル製の「Apple Watch」
42mmスペースブラックステンレススチールケースとブラックスポーツバンド(価格:7万7544円、税込み)。安価なスポーツタイプは4万6224円から。
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中国ファーウェイ製の「Huawei Watch」
シルバー、バンド:ブラックレザー(価格:4万9464円、税込み)。
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2~5万円の価格帯の製品が人気

 Android系スマートウオッチの売れ筋を見ると、中国ファーウェイ「Huawei Watch」、ソニーモバイルコミュニケーションズ「SmartWatch3」、サムスン「Gear S2 classic」、ASUS「ASUS ZenWatch 2」など、2~5万円の価格帯の製品が中心である。他方、スイスの高級時計ブランド、タグ・ホイヤーの「Connected」など、15万円を超える価格帯の機種も登場し、高級アクセサリーとしてのニーズも高まっている。

 まず、時計のデザインから見ると、Apple Watchはスマートフォンを小型化したようにシンプルなもの。これに対して、Android対応のスマートウオッチは高級腕時計のようなデザインの製品が増えてきている。

 また、スマートウオッチは基本的にスマートフォンと無線機能(Bluetooth)で連携させて使うことになる。Apple WatchはiPhoneとしか連携しないが、Android対応のスマートウオッチはメーカーにより異なる。Android対応のスマートフォンとしか連携しない製品が多いが、Huawei WatchのようにiPhoneと連携できる製品もある。

 では、健康関連の機能から最新の売れ筋スマートウォッチを見たらどうだろうか。今回は、Apple WatchとAndroid系で売れ筋のHuawei Watchを実際に日常的に使用して、使い勝手を比べてみた。

早歩きより強度の高い活動だけを認識

 Apple Watchの健康関連機能は、大きく2つある。日常的な生活改善を促してくれる「アクティビティ」と、スポーツや有酸素運動などの管理に役立つ「ワークアウト」である。「アクティビティ」は歩数や消費カロリーなど、日常の行動を常時計測する機能だ。これに対して「ワークアウト」では、ランニングやサイクリングなど、意図的な運動を記録する。

 Apple Watchは基本的にiPhoneとの無線接続が必要と前述したが、ワークアウトとアクティビティによる活動記録はApple Watch単体でも利用できる。Apple Watchには耐水性があるので、激しい運動で汗をかいても大丈夫だが、防水ではないので水泳には利用できない。

同心円に重なる三本のリング状になった棒グラフで活動状況が表示される。
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 「アクティビティ」では、同心円に重なる三本のリング状になった棒グラフで活動状況が表示される。外側の赤いリングが「ムーブ」。運動で消費されるカロリーの量を示している。次の黄緑色のリングが「エクササイズ」。早歩きより強度の高い活動を認識すると自動的にエクササイズと見なされ、その総時間が表示される。通常の歩行はここにはカウントされない。

 一番内側の青のリングは「スタンド」。1日の12時間のうち、1時間当たり1分以上立って体を動かすと1カウントされる。座ってばかりいてはいけないということである。それぞれの目標値は自由に設定できる。1週間利用してみて達成できない目標なら、おすすめの目標が自動的に提案される。

 ところで歩数はどこに表示されるのだろうか。これは「アクティビティ」のリング表示を上にスワイプする(指でなでる)と、「合計歩数」として表示される。歩数を含めて日々の活動記録は、iPhoneの「アクティビティ」アプリで確認できる。

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日々の活動記録は、iPhoneの「アクティビティ」アプリで確認できる(右画面の下に歩数が表示される)。

Apple Watchで座りっ放しの生活にさよなら

 実際に使ってみて印象的だったのは、「スタンド」の機能だ。立つ動作を記録しているだけではない。1時間じっと座っていると、軽くとんとんと腕を叩くように通知があり、「立ち上がって、1分ほど歩きましょう」と促される。ささいな機能のようだがこれだけで生活行動が大きく変わる。とりあえず立ち上がり、とにかく少し行動するようになる。アップルウオッチの利用者が多い企業で会議が1時間以上続くと、みんなそわそわした雰囲気になるという話も聞いた。

1時間じっと座っていると、軽くとんとんと腕を叩くように通知がある。
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1分間の息抜きとなる運動を求められる。
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 健康増進というと積極的な運動に目を向けがちだが、それよりも、じっと座りっ放しの状態を避けることが大切ということか。実は近年、医学的にも長時間座ることの弊害を示す研究が増えてきている。2016年に発表された関連47研究を総括した報告によると、座っている時間が1日に8時間に及ぶと、死亡リスクは22%も増加する。個別の疾患で見ると、心疾患リスクは15%増加、がんリスクは13%増加、生活習慣病と見られる2型糖尿病のリスクは91%も高まるという(*1)。1日1時間きちんと運動しても、その健康効果は6時間座り続けていたら相殺されてしまうという研究もある (*2)。

*1 "Sedentary Time and Its Association With Risk for Disease Incidence, Mortality, and Hospitalization in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis" (Ann Intern Med. 2015;162(2):123-132. )
*2 ”Association Between Cardiorespiratory Fitness and Accelerometer-Derived Physical Activity and Sedentary Time in the General Population” (Mayo Clin Proc. 2014 Aug;89(8):1063-71.

通常の腕時計としても違和感がないHuawei Watch

 Huawei Watchの見た目はエレガントな高級腕時計そのものである。形状はやや厚みがあるものの、表示部分は円形なので通常の腕時計としても違和感がない。この形状だけでなく、文字盤表示も高級腕時計風にできる。Android対応スマートフォンだけでなく、iPhone(iOS8.2以上)とも連携して利用できる。

 健康関連機能の使い勝手はどうだろうか。Android系スマートウオッチの機能は、「Google Fit」というAndroid系のスマートウオッチすべてに共通する機能と、メーカーが実装する製品ごとに固有の機能がある。提供元が違うだけで、同じ機能がそれぞれ用意される場合もある。例えば、歩数の計測はGoogle Fitでも機種固有の機能でも可能だ。「どちらを使おうか」と悩むかもしれないが、基本的にユーザーの好みで選べば良い。

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Google Fitでは、「歩行」「ランニング」「サイクリング」「サッカー」「スキー」など、100種類の運動を記録できる。

 Google Fitで記録した行動は「アクティビティ」という機能で統合される。登録されている運動の種類は100種類を超えるが、日常よく使うのは「歩行」と「ランニング」だ。このほか、「サイクリング」「サッカー」「スキー」「メディテーション」などもあり、それぞれの運動を記録できる。Google Fitはたいてい購入したスマートウォッチに搭載されている。そうでない場合でも、プレイストアから無料でダウンロードできる。

 Google Fitのメリットは、異なるスマートウォッチで記録したデータであっても、まとめて蓄積管理できることだ。例えば、午前と午後で別のスマートウォッチを使ったり、装置を買い換えたりしても、測定データを継続して管理できる。Apple Watchの場合は、iPhoneから別のスマートフォンに代えると、それまでの記録を参照できなくなってしまう。

健康関連機能も充実しているHuawei Watch

 次にHuawei Watch独自の健康管理機能を見ていこう。「毎日の活動を追跡」の設定をしておけば、自動的に歩数、消費カロリー、立ち座りの回数の3点が計測される。これらの計測結果は1つの画面のなかにシンプルに分かりやすく表示され、専用アプリ「Huawei Wear」かGoogle Fitのいずれかでデータを蓄積管理できる。使ってみると、Apple Watchの「アクティビティ」と似ており、使いやすさでも遜色ない。

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Huawei Watch独自の健康管理機能では、「毎日の活動を追跡」の設定(左)をしておけば、自動的に歩数、消費カロリー、立ち座りの回数の3点が計測される(右)。

 これに加えてHuawei Watchでは、「ランニング」や「クライミング」(階段などを登る動作)といった活動も自動的に記録できる。一定の時間内に運動する場合は、ストップウォッチを兼ねた「運動の追跡」という機能を使いたい。Apple Watchと同様に、心拍測定機能もあるので、心拍管理をしつつ最適なペースでランニングの練習をするのにも向いている。

 Huawei Wearでは、利用者の多いジョーボーン製のリストバンド型活動量計「UP」との連携機能もある。例えば、睡眠管理には違和感の少ないリストバンド型端末を使うという手もある。

 Apple WatchとHuawei Watchを使い比べてみたが、歩数やランニングなど運動の測定やデータ管理においては、どちらも標準アプリと心拍計を備えており、それほど大きな差は感じなかった。Apple Watchは座りっ放しを防止する機能が有難いが、Huawei Watchの自然な時計らしいデザインも魅力的だ。ユーザーそれぞれの好みで選んでほしい。

 最後にスマートウォッチ購入や利用についての全般的な注意点になるが、高機能なスマートウォッチでも基本的には本格的なスポーツ活動には向かない。汗や雨に耐える防水機能はあっても、水泳には使えない。

 ただ、スマートウォッチで健康管理を行えば、日常生活でもっと活動しなくてはいけないという意識は確実に高まる。その分、確実に健康増進につながるだろう。加えて、スマートウォッチを使うとスマートフォンを眺める時間が減るので、“スマホ歩き”による事故の危険性も減るのではないだろうか。

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