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花粉症の目のかゆみ対策 市販薬、人工涙液の選び方

市販点眼薬の選び方と注意点

 伊藤和弘=ライター

 点眼薬を一度に何滴も差す人がいるが、1滴差せば十分。差した後、すぐにまばたきをすると薬液が流れてしまう。目の表面に長く薬液をとどめるため、しばらく目を閉じて目頭を押さえる。

 なお、家族であっても同じ点眼薬を使い回してはいけない。まつげなどに触れることで、結膜炎の感染などを起こしやすいからだ。30分ごとなど1日に何度もしつこく差す人がいるが、あまり差しすぎると薬に含まれている防腐剤で目を痛めることもある。記載されている用法・用量をきちんと守って使うようにしよう。

最初に人工涙液で花粉を落とすと効果的

 できれば点眼薬の前に人工涙液を使うといい。人工涙液とはもともとドライアイの治療などに使われる点眼薬の一種。その名の通り涙に近い成分になっていて、いわゆる薬剤は入っていない。まず、これを使って目に入った花粉を洗い流すのだ。

 なお、「目を洗う」といっても水道水で洗うのはNG。含まれている塩素によって目の表面に傷がつくことが多い。市販の目洗いカップも、いったん目の外に出た花粉がまた目の中に入ってしまい、目の外へ花粉を洗い流すという方法にはならない上、アトピー性皮膚炎などがある場合は皮膚への影響もあるため、勧められないという。

 市販の人工涙液は「ソフトサンティア」「ロートソフトワン点眼液」など。これらには花粉のハッチアウト(破裂)を抑える作用もあるという報告がある。花粉はそのままではアレルギー反応を起こさない。破裂して内部のたんぱく質が外に出てアレルギーを引き起こすので、ハッチアウトが少なければそれだけ症状も軽くなるというわけだ。

 2018年12月には「ウェルウォッシュアイ」が発売された。これは人工涙液ではなく点眼型洗眼薬だが、よりハッチアウトを抑える作用が強いとされる。また、前述の人工涙液は使用期限が10日間なのに対し、ウェルウォッシュアイは開封後約1カ月使用できる。

左から、人工涙液の「ソフトサンティア」「ロートソフトワン点眼液」と、点眼型洗眼薬の「ウェルウォッシュアイ」

 これら人工涙液を起床後や帰宅した際などに、目を洗うように数滴使うとよい。「防腐剤の塩化ベンザルコニウムが入っていない人工涙液は、ドライアイの治療ではコンタクトレンズを装着したままでも使用できますが、花粉を洗い流す目的で使う場合は、コンタクトレンズをしていると洗い流す効果が少なくなるので、はずしてもらったほうがよいでしょう」(石岡さん)

 成分を染みこませる点眼薬と違って、人工涙液を使う目的は目の洗浄なので、差した後はまばたきをして目の表面についた花粉を洗い流そう。その上で抗ヒスタミン作用のある点眼薬を差すとより効果的だ。ただし点眼薬を差すタイミングは「人工涙液の直後」ではないほうがいい。人工涙液を使った直後に差しても特に危険はないが、せっかくの点眼薬の成分が薄まってしまうので5分ほど間を空けるのがいい。

 症状が軽ければ点眼薬を使わず、人工涙液で花粉を落とすだけで効果が出ることもある。「点眼薬も人工涙液も、冷蔵庫で冷やしておくとより炎症を抑える効果が高くなる」(石岡さん)そうだ。

 点眼薬と同じく、人工涙液も使い過ぎはよくない。「使い過ぎると涙の安定性を保つために重要な役割を果たす粘液のムチンを洗い流してしまうので、多くても1日10回以内に。1回使ったら1時間は間を空けるようにしてください」と石岡さんはアドバイスする。

石岡みさき(いしおか みさき)さん
みさき眼科クリニック院長
石岡みさき(いしおか みさき)さん 1989年、横浜市立大学医学部卒業。93年から米ハーバード大学スケペンス眼研究所に留学。帰国後、東京歯科大学市川総合病院眼科を経て、98年に両国眼科クリニック院長に就任。2008年から現職。横浜市立大学医学部眼科講師。専門はドライアイ、目のアレルギー。著書に『点眼薬の選び方』(日本医事新報社)など。

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