日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > トピックス  > 成人用肺炎球菌ワクチン接種、対象者はお早めに!  > 3ページ目
印刷

トピックス

成人用肺炎球菌ワクチン接種、対象者はお早めに!

4月1日までに65歳、70歳、75歳、80歳、85歳…になる人は要チェック

 佐藤信正=ライター

自治体独自の助成制度も確認を

 助成についてもう一つ知っておきたいのは、地域によっては、定期接種化される以前から、独自の助成を行ってきた市区町村があるということだ。その数は、1100を超える(23価ワクチンを製造するMSD社調べ)。それらの自治体の多くは、65歳以上の人全員を対象に公費助成を行ってきたため、65歳から5歳刻みの年齢に該当しない人でも、助成を受けられる可能性がある。ただし、定期接種化に伴い、これまでの助成を終了させるケースが想定されるため、まずは居住地の市区町村に問い合わせるとよいだろう。

 いずれにせよ、65歳以上でもすぐには公費助成の対象にならない人たちは出てくる。その場合、助成が受けられる年度になるまで待つべきだろうか。永井氏は、「助成の有無も大きな判断材料になるとは思いますが、医学的な観点から言えば、65歳以上の人は肺炎球菌感染のリスクが高いので、助成対象外であっても早めに接種することをおすすめします」と話す。

 その際に留意しておきたいのは、肺炎球菌ワクチンの効果は5年程度しか持続しないことだ。日本呼吸器学会では、肺炎球菌ワクチンの接種を受けた高齢者は、5年後に再接種を受けることを推奨している(ただし現時点では、再接種の際には公費助成を受けられない)。

もう1つの高齢者向け肺炎球菌ワクチン

 今回、定期接種化された高齢者の肺炎球菌ワクチンは「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン」(商品名:ニューモバックスNP、以下、23価ワクチン)と呼ばれるワクチンのみだが、実はこれ以外に、定期接種としては認められていないものの、小児用に使われている「沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン」(商品名:プレベナー13、以下、13価ワクチン)も、65歳以上の成人への接種が2014年6月に承認されている。

 23価ワクチンと13価ワクチンでは、対応する肺炎球菌の型数が異なるほか、構造も異なる。23価ワクチンは肺炎球菌の23種類の型、13価ワクチンは13種類の型に有効だ。13価ワクチンは免疫応答を高めるために、23価と異なり、抗原に蛋白を結合させている。

 「13価ワクチンはもともと小児用として開発されたワクチンで、日本でも2013年から7価ワクチンに代わって小児に接種されていますが、その後の研究で成人にも効果があることがわかってきたのです。限定的なデータではありますが、13価ワクチンの方が、接種後の免疫応答が優れているという研究結果が出ています」と永井氏は語る。

米国では13価ワクチンを先に接種

 こうした最新研究を踏まえ、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種諮問委員会は2014年8月、65歳以上の成人の場合、ワクチンの予防効果を増強するため、まずは免疫応答の強い13価ワクチンを接種し、半年から1年の期間をおいて、より幅広い型をカバーする23価ワクチンを連続接種するように推奨した。

 一方、日本では、高齢者における23価ワクチンは定期接種、13価ワクチンは任意接種の扱いであるため、臨床現場で両者をどう使い分けるかについて、医療関係者の間でも混乱が生じている。13価ワクチンを高齢者の定期接種に組み込むためには、さらなる研究データの蓄積を待たなければならないが、今後、定期接種のあり方も見直される可能性がある。日本呼吸器学会では、現時点での高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方を、同学会のホームページに掲載している。

先頭へ

前へ

3/3 page

肺炎
キーワード一覧へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 変形性膝関節症のつらい痛みを改善する運動とは?

    年を取ると多くの人が感じる「膝の痛み」。その原因で最もよくあるケースが「変形性膝関節症」だ。膝が痛いと外出がおっくうになり、体を動かす機会が減るため、そのまま何もしないとますます足腰が衰えてしまう。だが実は、変形性膝関節症の痛みをとり、関節の動きを改善するために有効なのが、膝への負担を抑えた「運動」なのだ。ここでは、膝の痛みが起きる仕組みから、改善するための運動のやり方までをまとめよう。

  • 始めよう筋トレ 最低限やりたいエクササイズと食生活のポイント

    筋トレはできるだけ若いうちに始めることに大きなメリットがあるといわれる。それはなぜなのか。また、どんな筋肉をどのように鍛えるのが効果的なのか。高齢になってもしっかりした足腰でいるために今のうちから最低限やっておきたい筋肉エクササイズ、食生活の注意点などを知り、今年こそ「筋トレ習慣」を身に付けよう。

  • 第3波を乗り切るためのコロナ対策

    新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増し、日本は今、流行の第3波を迎えている。今後さらに気温と湿度が下がると、ウイルスの生存により適した条件が整うようになる。これ以上の流行拡大を防ぐためには、1人1人が感染予防策を改めて見直し、感染リスクの高い行動を避けて生活することが不可欠だ。第3波を乗り切るためのコロナ対策を、もう一度まとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.