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成人用肺炎球菌ワクチン接種、対象者はお早めに!

4月1日までに65歳、70歳、75歳、80歳、85歳…になる人は要チェック

 佐藤信正=ライター

 現代日本人の死因の第1位はがん、第2位は心不全などの心疾患だが、第3位が肺炎であることはあまり知られていないのではないだろうか。

 肺炎による死亡は、高齢者人口の増加ともに増え続け、2011年に、それまで3位だった脳梗塞などの脳血管疾患を抜いた。そして現在、肺炎死亡者に占める65歳以上の割合は、96.8%に及ぶ(*1)。65歳になって健康に気を遣うなら、がんや生活習慣病だけでなく、肺炎にもかからないように注意し、またかかっても重症にならないような手だてが必要だ。

 肺炎は、文字通り肺に生じる炎症性の疾患で、主に細菌やウイルスなどの病原体に感染することで起こる。かぜや高齢、持病などで体の免疫力が落ちているときに感染しやすく、死に至ることもある。市中の肺炎232例を調べたデータでは、肺炎の原因となった病原体で一番多いのが肺炎球菌(24.6%)。次がインフルエンザ菌(18.5%、*2)。これに続いてウイルス(16.4%)となっている(*3)。

 このうち最も多い肺炎球菌は、他の細菌に比べて重症化しやすく、抗菌薬の効きにくい耐性菌も増加している。また、冬に流行するインフルエンザにかかった際に、気道のバリア機能が壊され、細菌の二次感染による肺炎を併発することがあるが、この際の病原菌も、肺炎球菌が過半数を占める(*4)。この肺炎球菌、ワクチンによって感染を予防することができる(*5)。

高齢者への23価肺炎球菌ワクチンが昨秋から定期接種に

年度末までに自分や家族が対象年齢かどうかのチェックを。(©Daniel Garcia -123rf)

 肺炎球菌ワクチンには、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(以下、13価ワクチン)と、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(以下、23価ワクチン)がある。前者は、細菌性髄膜炎など小児特有の重い感染症を予防する目的で、予防接種法に基づく定期接種としてすでに使用されているが、2014年6月より高齢者にも任意接種として適応となった(13価ワクチンと23価ワクチンの違いについては、3ページ目の別掲記事参照)。

 23価ワクチンは、高齢者の肺炎予防を目的として長らく任意接種として行われてきた。その間に、同ワクチンの安全性・有効性や医療費削減効果を評価する報告が蓄積されたことから、2014年10月より定期接種の中に組み込まれた。インフルエンザワクチンと同様に、接種を受けるかどうかは個人の判断に委ねられるが、厚生科学審議会の2011年「ワクチン評価に関する小委員会」では、65歳以上の日本人全員が23価ワクチン接種を受けると仮定すると、年間約5115億円の医療費削減につながると推計している。

*1 2012年人口動態統計
*2 インフルエンザ菌(正式名称:ヘモフィルス・インフルエンザ菌)は細菌の一種で、毎年冬に流行するインフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスとは別の病原体。
*3 日本呼吸器学会・2007年ガイドライン
*4 石田直. 化学療法の領域. 2004;20:129-135.
*5 肺炎球菌にはさまざまな型があり、すべての型をワクチンで予防できるわけではない。

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