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花粉症は職場の生産性を低下させる 会社ができることは?

花粉症とプレゼンティーズム

 及川夕子=ライター

花粉症の季節になると、頭がぼーっとする、集中力が落ちる、日中眠くて仕方がないなどの症状に悩まされてはいないだろうか。花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こし、生活や仕事に少なからず影響する。特に最近注目されているのが、会社に出勤していながらも体調不良のため従業員のパフォーマンスが低下する「プレゼンティーズム」の問題だ。花粉症とプレゼンティーズムの関係、企業が取り得る対策について、日本医科大学耳鼻咽喉科学教室の後藤穣准教授らの話を紹介する。

写真はイメージ=(c) PaylessImages-123RF
写真はイメージ=(c) PaylessImages-123RF

花粉症による経済的損失はどのくらい?

 花粉症を引き起こす植物の種類はたくさんあるが、日本ではスギ花粉症が圧倒的に多い。一般的には、スギ花粉症は2月上旬ごろから本格的なシーズンが始まる。実は、このスギ花粉症に代表される、鼻づまりを伴うアレルギー性鼻炎患者の労働生産性の低下による経済的損失は、日本全体で年間4兆円以上に上るという試算もある(*1)。

 この数字は、鼻づまりを伴うアレルギー性鼻炎による欠勤を年3.5日、労働生産性低下を1日当たり2.3時間として、アレルギー性鼻炎患者の年間平均罹患日数や患者数、日本人の平均収入などを基に算出されたもの。後藤准教授は、花粉症が労働生産性低下に及ぼす影響について、「花粉症は長期間欠勤するほどの重症の病態ではないが、社会的な影響は非常に大きい疾患。スギ花粉症の人は、日常生活への支障度が高く、特に鼻づまりが、労働生産性の低下や作業効率の低下につながっている」と説明する。

 実際、多くの花粉症患者が、アレルギー性鼻炎のひどいときに、勉強や仕事、家事への支障(64.5%)、精神集中不良(61.7%)を感じていることが分かっている(*2)。

 製薬会社のノバルティスファーマが、2019年10月に会社の人事担当者300人および管理職700人に対して行った「花粉症の企業従業員の生産性に関する実態調査」でも、人事担当者の61.0%、管理職の45.6%が、花粉症の症状による従業員の「パフォーマンス低下を感じている」ことが判明。また、人事担当者の 52.7%、管理職の 47.4%が「治療してほしいと思うことがある」と回答した。「症状が業務の支障になっていると思う」との回答は、人事担当者61.0%、管理職38.7%に上った。

 「花粉症の人はくしゃみや鼻をかむことで作業を中断させられてしまうことがあるし、目のかゆみや鼻水のせいで集中力を保ちづらくなる、目のかゆみでパソコン画面が見づらくなるといったこともよくある。また、鼻づまりによって口呼吸が増えると、体内に酸素を取り込む量が減少して酸欠状態に陥りやすく、集中力や判断力の低下につながることもあります」(後藤准教授)

*1 医薬ジャーナル. 2014-03;50:103-11.
*2 2007年実施アレルギー性鼻炎の患者またはその子供の親へのwebアンケート調査 Prog Med. 2007; 27:2112-21.

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