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東日本大震災から5年、子どもの健康への影響は?

運動不足や肥満傾向のほか、性格も変化

 鈴木英子=ニューズフロント

 小野薬品工業とスポーツ・コミュニティ・アンド・インテリジェンス機構(SCIX)は、2011年の東日本大震災が被災地域における子どもの運動習慣に依然影響を及ぼし、肥満傾向の増加や運動能力の低下といった課題をもたらしているとする調査結果(調査期間:2016年1月22日〜29日)を発表した。

 岩手県、宮城県、福島県に在住し、震災の被害を受けた9〜14歳の子どもを持つ親467人にアンケート調査を実施したところ、2割以上(22.3%)が震災前と比べて子どもが「太ってきている」と回答した。9〜11歳の男児を持つ親はその傾向が強く、3割(30.9%)が子どもの肥満化傾向を実感している(図1)。

図1◎ 震災前と比較した子どもの体型変化への認識
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 震災による子どもの生活や成長への影響について聞くと、3割以上が「運動や身体を動かすこと」(35.5%)と「こころの成長」(33.8%)に対して「悪影響があった」と答えた(図2)。

図2◎ 東日本大震災による子どもの生活や成長への影響
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 運動などへの悪影響について、約3人に1人(33.4%)は「運動や身体を動かす遊び(スポーツや鬼ごっこなど)」が減ったと認識し、約5人に1人(19.3%)が「運動や身体を動かす意欲(好意度や積極性)」の低下を実感している。一方で約2人に1人(48.0%)が「身体を動かさない室内活動(テレビやマンガなど)」が増えたと答えた。

 外部環境の変化について尋ねると、3割以上が「遊びや運動を行う場所が減った」(34.3%)、「思い切り走り回れるような広い場所が減った」(30.0%)、「遊具のある公園が減った」(30.6%)とし、「運動・身体を動かす外部環境が悪化した」と感じる親は約半数(49.9%)に上った(図3)。

図3◎ 東日本大震災が運動や身体を動かす環境へ与えた影響
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性格の変化では「粘り強さ」が下がったという声も

 

 子どもの性格の変化について聞くと、「粘り強さ」「社交性」「行動力」はいずれも、高まったとみる親より、低下したと見る親の方が多く、特に「粘り強さ」では「減った」(12.8%)との回答が「高くなった」(5.4%)より2.4倍多かった(図4)。

図4◎ 東日本大震災が与えた子どもの性格形成への影響
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 子どものストレスの変化を見ると、子どもがストレスを感じていると考える親は震災直後は63.2%だったが、2〜4年後は38.1%、現在は25.9%と徐々に減少している。しかし、震災前の16.5%と比べると依然ストレスは高い。