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猛威をふるうジカ熱、日本での流行の危険性は?

感染しても8割が無症状、気付かぬうちに国内に持ち込まれる恐れ

 塚越小枝子=フリーライター

ジカウイルス感染症の問題点は?

 ジカウイルス感染症の大半は重症化することなく、数日程度で回復する。問題は、感染した妊婦から頭が小さい「小頭症」の子どもが相次いで生まれていることだ。小頭症の子どもには脳の萎縮や石灰化などが見られ、知的障害や視力・聴力障害などを伴う場合がある。

 ブラジルでは2015年10月から小頭症が急増し、2016年1月30日までの間に4783人の小頭症が疑われる胎児または新生児の報告があった。胎児が小頭症と確認された妊婦の羊水、出産後まもなく死亡した小頭症の新生児の血液および組織から、ジカウイルス遺伝子が検出されたという報告もある。

 また、ジカウイルス感染症の患者の中には、手足の麻痺などの神経障害が現れる「ギラン・バレー症候群」を発症したケースもある。小頭症も神経合併症も、ジカウイルス感染症との関連がかなり強く疑われているが、現在調査中だという。

ジカウイルスは日本にも入ってくる?

感染しても無症状の人が8割。気付かないうちに海外からウイルスを持ちこむ恐れが。(©PaylessImages-123rf)

 日本でも過去に3例のジカウイルス感染症の症例が報告されている。いずれも海外(仏領ポリネシアのボラボラ島2例、タイのサムイ島1例)に渡航した人が蚊に刺されて帰国後に発症した輸入感染例で、3例とも後遺症なく回復した。

 現在のジカウイルス感染症の流行地域の中心は中南米・カリブ海地域。今後も発生が予測され、日本人渡航者の多いアジアや南太平洋地域への流行拡大も懸念される。特に2016年8月~9月にブラジルのリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催され、多くの日本人が渡航することが予想される。感染しても約8割が無症状であるため、感染者自身も気付かない間に日本にウイルスが持ち込まれる可能性は十分に考えられる

ジカウイルス感染症が日本で流行する可能性は?

 日本に生息するヒトスジシマカが媒介蚊となり得ることと、感染しても約8割が無症状であることから、2014年のデング熱の流行と同じように、輸入例を発端として国内でジカウイルス感染症が流行する可能性は否定できない。海外で蚊に刺されて知らない間に感染した後に帰国した人を、日本に生息する蚊が刺してジカウイルスを獲得し、その蚊がまた別の人を刺せば、日本に住む人にも感染が広がることになる。

 まだ明確にはわかっていないが、蚊が媒介する感染経路だけでなく、輸血や性交渉による感染が疑われる報告もあり、そうしたことから感染が広がる可能性も懸念される。

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