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新型コロナウイルスで可能性が指摘された「エアロゾル感染」とは?

エアロゾルの定義は世界的にもあいまいで、飛沫にも飛沫核にも該当

 大西淳子=医学ジャーナリスト

エアロゾル感染の定義は世界的にもあいまい

 実は、今回真偽が問題になっているエアロゾル感染について、世界的に統一された定義は存在しません。日本では、感染症は「接触感染」、「飛沫感染」、「空気感染(飛沫核感染)」、「媒介物感染(水や食品、血液、虫などを媒介した感染)」という4通りの方法で広がると見なしており、エアロゾル感染は感染経路として定義されていません(*5)。

 日本において、飛沫感染と飛沫核感染は、粒子径が5μm以上か、5μm未満かで区別されています。飛沫から水分が蒸発したもの飛沫核と呼び、すぐに地面に落ちる飛沫とは異なり、空気中に長く浮遊して吸入した人を感染させる(空気感染)と考えられています(*6の図参照)。

 WHO(世界保健機関)も、ほぼ同様の定義を示しています(*7)。ここでは、

  • Droplets(飛沫):Respiratory aerosols > 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm超)
  • Droplet nuclei(飛沫核):Respiratory aerosols ≦ 5 μm in diameter(呼吸性エアロゾルで、直径は5μm以下)

 としており、直径5μm超か5μm以下かで両者を区別しています。ただし、WHOは飛沫も飛沫核もエアロゾルと認識しているようです。確かにこれら粒子はいずれも、サイズからいうとエアロゾルに該当します。

 また、WHOの定義が世界中で用いられているかと言えば、そうではありません。欧州の論文の一部は、飛沫を吸引性(inspirable)飛沫(直径10~100µm)と吸入性(respirable)飛沫(直径10 µm未満)に分け、「前者が気道上部の粘膜に付着して発生する感染を飛沫感染、後者が呼吸により気道に入るために生じる感染をエアロゾル感染(飛沫核感染とも呼ぶ)」、としています(*8、9)。

 つまり、空気中に存在する様々な直径の粒子が、サイズからいえばエアロゾルに該当し、飛沫も飛沫核も、エアロゾルと呼ばれることがあり、国際的には、飛沫感染と飛沫核感染の境界となる粒子径さえも統一されていない、ということになります。

 ただし、世界中で認識が一致しているのは、咳やくしゃみとともに放出される大きな粒子は、短い距離しか飛ばず、短時間で床に落ちるが、小さくなった粒子は長時間空気中に留まり続け、部屋中に広がって空気感染を引き起こす、という点です。

新型コロナの飛沫核感染は未確認、感染経路はSARSと同じ?

 これまで、新型コロナウイルスの飛沫核感染の発生は確認されていません。それでも、インフルエンザ予防策と同様、室内の換気は、感染リスクを減らすために役立つと考えられています(*10)。

 新型コロナウイルスが、人に感染する際に利用する受容体は、SARSコロナウイルスと同じであることが既に示されています。したがって、感染経路はSARSと同様である可能性が高いと考えられています。SARSの場合には「特別な条件下での空気感染なども完全に否定することはできませんが、可能性はかなり低いと考えられています」とされていました(*11)。

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