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ハーバード大研究者が語る、男女の妊娠力を高める食生活の6つの法則

 福島安紀=ライター

血糖値の急上昇は生殖機能に悪影響

 チャヴァロ氏らハーバード大の研究グループが、マサチューセッツ総合病院と共同で行っているEARTH(The Environment And Reproductive Health)研究でも、6つの法則のような食生活をより忠実に実践している人のほうが、生殖医療による出産率が高いことが示されている(*4)。

 「中でも、精製された穀類ではなく、全粒粉を含む精製度の低い穀物などの炭水化物や野菜・豆などをとって、血糖値の上昇を緩やかにすることが特に重要」とチャヴァロ氏は話す。

東京で講演するジョージ・チャヴァロ氏

 血糖値が生殖機能にまで影響を及ぼすのはなぜなのか。チャヴァロ氏によると、女性の場合、精製された穀類や砂糖入り清涼飲料水、スナック菓子などによって血糖値が急激に上がり、それを下げるために膵臓からインスリンが大量に分泌されると、性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)と結合する作用のある物質(性ホルモン結合グロブリン)の分泌が低下する。テストステロンは男性に多いが、女性も卵巣や副腎から分泌している。性ホルモン結合グロブリンが少なくなると、結果的に、結合する相手のいないテストステロンが血液中にとどまって排卵の邪魔をすることになるのだ。こうしたテストステロンの増加は、排卵障害をもたらす「多のう胞性卵巣症候群」の原因にもなる。

 一方、男性の場合は、血糖値の急激な上昇を繰り返してインスリンの効き目が悪くなると、糖化などによって精子の質が低下するのだ。

オメガ3脂肪酸を積極的にとる

 「妊娠の可能性を高める6つの法則」の2つ目の不飽和脂肪酸というのは、魚に多いことで知られるオメガ3脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸と、オリーブオイルやキャノーラ油などに多い一価不飽和脂肪酸のことだ。悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールの数値を下げ、血液中に血栓(血液の塊)ができるのを防ぎ、心臓病や動脈硬化からも体を守る働きをする。

 「特に、最近脚光を浴びているのが、魚だけでなく、クルミ、亜麻仁油などに豊富に含まれているオメガ3脂肪酸です。精子細胞膜のオメガ3脂肪酸の割合が高い男性ほど、精子濃度が劇的に増加しました。魚の摂取量が多い人ほど、総精子数が多いことも分かっています。逆に、同じ不飽和脂肪酸でも植物油などを加熱した際などに生じるトランス脂肪酸は、血管の健康や精子の精製に悪影響を及ぼし、その摂取量が多いほど、排卵障害や不妊のリスクが高まります。健康への悪影響が大きいため、米国など多くの国では、すでにトランス脂肪酸の使用が禁止されています」とチャヴァロ氏は語る。なお、トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなどに多いとされるが、日本ではメーカー各社が減らす努力を行っており、その場合には商品に表記されていることも多い。

*4 Am J Obstet Gynecol. 2019 Jun;220(6):567.
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