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全日本大学駅伝の惜敗から“美しすぎる走り”を修正

『走った距離は裏切らない』は本当なのか?

 松尾直俊=フィットネスライター

練習で走る距離は最小限に

 2区の一色は、3区を走る秋山雄飛(3年)にタスキをつなぐ。2区のタイムは3位、追ってくる東洋大が区間賞を出して差は詰められるものの、トップはキープしたまま。焦る様子はない秋山も快走を続け、戸塚-平塚間21.4kmを1時間2分24秒の区間賞。4区18.5kmを担う田村和希(2年)がスタートするまでに、2位の東洋大に1分35秒の差をつけた。

 青学のこうした選手層の厚みは、けがをしないことを最優先とした練習メニューによってもたらされたものだ。「原監督の考えた、ただ走らせるだけではない練習メニューで選手の体ができ上がってきたことも大きいんです。最近は野球の練習で投げる球数を制限することが多いのですが、青学でも同様に走り過ぎのない、それぞれの選手にとって最適な練習量を組み立てるようにしています。練習のピークを持ってくる時期や体調も、選手によって全部違いますので」(中野さん)。

 自分の体の声を聞く、敏感になる。これも一般ランナーが見習いたいところだ。

 例えば「フルマラソンで4時間を切るために、月間400km走る」。そんな目標を立て、体調がすぐれない時やどこかに痛みを感じる時でも休まずに走ってしまう…。それは「ランニングホリック」という走り過ぎの状態だ。その結果、故障で走れなくなり、さらに悔しい思いをすることになるのだ。

 「よく『走った距離は裏切らない』なんて言いますが、実は絶対に裏切るんですよ(笑)。やみくもに走ると必ずけがをしますから。これだけは声を大にして言いたいですね。青学ではどこで20km走や30km走を入れるかとか、スピード練習をどの時期にやるかといったことは、原監督が全て考えてやっています。走る割合を最小限にして、どれだけ良い結果を出せるかといった考えで練習を組み立てているようです。そこに半日丸々、私の筋力トレーニングをやる日などがある。これはとても嬉しいし、やりがいがあるんです」(中野さん)

個々の体に合わせたトレーニングで能力アップ

 話を箱根駅伝に戻そう。青学4区の田村も区間賞を叩き出し、この時点で東洋大とのアドバンテージは2分28秒までになった。そしていよいよ往路の見せ場、小田原-箱根の山登りの5区。タスキを掛けるのは、昨年に区間新記録を出した主将の神野大地(4年)だ。

 「神野もけがで悩まされた苦しい1年だったと思います。それに体質的に筋肉がつきにくいし、フォームに少しクセがある。何度も言うようですが、選手個々の体は一様ではありません。それに合わせたトレーニングメニューが必要になるんです。ですから全日本大学駅伝が終わった後は、みんなが行うメニューとは違う“神野スペシャル”のトレーニングをするために、うちのトレーニングルームに週に2回通っていました」(中野さん)

 一斉練習以外にも時間を割いて、体幹の筋力トレーニングを積む神野。そんな主将の姿を他の部員たちも目の当たりにして、「次の箱根も全員で勝ちにいくという雰囲気を作り出してくれた」と中野は言う。

 そして神野は、1時間19分17秒でゴール。2位の東洋大との総合タイムの差は3分4秒、区間賞こそ日本大のダニエル・キトニーに譲ったものの、区間歴代3位のタイムで青学の首位を守り、往路優勝を決めた。

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