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箱根駅伝、青学連覇の舞台裏。勝利のカギは“上半身ねじり”の体幹強化

上半身と脚の連動でスタミナアップ

 松尾直俊=フィットネスライター

体幹内部の筋肉で走るとスタミナが切れない

 しかし、このブレのないフォームと、最初からハイスピードで飛ばしてもスタミナ切れにならない走りこそ、中野が指導した体幹トレーニングとストレッチの賜物なのだ。

 「彼はけがや体調不良で走る練習ができない時に、一番体幹トレーニングに時間をかけていたんです。リハビリの最中にしっかりと補強トレーニングをしたので、あれだけ走れた。体幹の内部にある『インナーユニット』の筋肉を優位に使って走れるようになると、エネルギーのロスが非常に少なくなるんです。彼はそれがほぼ完璧にできるようになったんです」(中野さん)[過去記事「箱根駅伝、青学躍進の陰に“理詰め”の体幹トレーニング【後編】」を参照]

体幹(インナーユニット)の筋肉の概略図
体幹は、解剖学的には「人体から頭部と四肢を除いた部位」と定義されるが、機能的には「あばら骨から骨盤までの腹部」を指す。内臓を収める腹腔を囲むようにある、「横隔膜」「腹横筋」「多裂筋」「骨盤底筋群」をまとめてインナーユニットと呼ぶ。また、脇腹あたりの腹横筋の上側にある腹斜筋を、本稿ではアウターユニットとしている。
[画像のクリックで拡大表示]

 速く走ろうとすると、一般的には臀部(でんぶ)から太ももの筋肉に力を入れてしまう。実際、主に体を前に進める推進力を生み出しているのは、その部位の筋肉である。しかし、大きな筋肉が多くて大きな力が出せる分、体内に蓄えたエネルギーを大量に消費してしまうのだ。

 同じ陸上競技であっても、100mのような短距離選手であればいいだろう。体格の違いを見ても分かる通り、短距離選手は総じて筋骨隆々。一方、長距離選手はスリムな細い筋肉質体型だ。短距離は、臀部から太ももの筋肉を使って一気にパワーを出す。でも、それでは長時間走ることはできない。そんな違いがあるのだ。

 では、長距離走ではどのように脚を繰り出せば、長く走り続けられるのか。それには、脚部の筋肉を使うだけではなく、体幹の筋肉と連動させた無駄のない脚の動きができる必要がある。それを目的として、中野が青学の体幹トレーニングに取り入れているのが、体幹の外側(アウターユニット)にある腹斜筋を使って、体をひねる動作を強化するものだ。

 「体幹のひねりと脚を連動させると、常に安定したペースで長い距離を走れるようになります。つまり、上半身の力を使って足を蹴り出すことで、体を前に運ぶための動作に余分なエネルギーを使わなくて済むようになるんです。ただ、体幹のインナーユニットの筋肉で上半身を固定するという感覚も身についていないとできないので、一般ランナーの方は少しトレーニングが必要かもしれません」(中野さん)

 単純に上半身だけをひねろうとすると、逆にフォームの乱れに直結する。中野は昨年の優勝後、インナーユニットの筋肉で体幹を安定させて、体軸がぶれないフォームで走ることができるようになった選手たちに、次の段階として、アウターユニットの筋肉を活用する上半身のひねりを使った走りを実現するためのトレーニングを指導してきたのだった。

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