日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > トピックス  > 子どもの風邪 心配すべき症状や使ってはいけない薬とは?  > 2ページ目
印刷

トピックス

子どもの風邪 心配すべき症状や使ってはいけない薬とは?

子どもの風邪の対処法

 塚越小枝子=ライター

 感冒の場合、多くは喉の痛み、鼻づまり・鼻水で始まって、半日から1日程度の違いで咳やたんも出る。その順で治まってくるが咳は1~2週間続き、だんだん乾いた咳から湿った咳に変わっていくというのが一般的な経過のパターンだ(図2)。熱はウイルスにより違い、2~3日で治まるものもあれば、5日間くらい続くものもある。

[画像のクリックで拡大表示]

薬は風邪を早く治すわけではない

 基本的に、風邪は上記のような経過をたどって自然に軽快する。薬を使っても風邪自体を早く治すわけではないという。

 「風邪は、体の中で増殖したウイルスに対して免疫が反応し、自然治癒力が働いて治っていく、という経過をたどります。原因に対する治療薬があるのはインフルエンザだけで、他のウイルスに対しては、根本原因に有効な薬はなく、あるのは熱や咳などの症状を和らげる薬だけです。ただ、割合としては少ないものの、そうした薬には副作用や有害事象の可能性もあります。発疹などの軽いものから、命にかかわるような重い副作用も報告されているため、リスクとベネフィットを鑑みて、医師の間でも『積極的には使わない』という考えになってきています。もちろん、高熱が出ているときや、咳が出て眠れないときなどに薬を使って楽になる、症状を和らげるという意味はあります」(宮入さん)

子どもへの使用が禁止されている薬もある。写真はイメージ=(c) Valerii Sidelnykov-123RF

 子どもには使用が禁止されている薬もある。咳止め薬に含まれるコデインという成分は、それにより呼吸困難になる疑いがある症例が報告され、欧米で使用制限されたのに基づき、日本でも2019年から全面的に12歳未満の子どもにはコデインを含む咳止め薬は使用が禁忌となった。

 「鼻水を止める抗ヒスタミン薬も、かえって呼吸を抑制する 、熱性けいれんを誘発する可能性などのリスクが報告されており、小さな子どもには使いません。咳止め薬に関しても、薬で抑えるのではなく積極的に咳を出させてたんを排出する方がよいという考え方が小児科医の間で一般的になっています。咳止め薬や総合感冒薬に関して米国小児科学会は幼い子ども(目安:4歳未満~6歳未満)に対して処方すべきではないとしていて、日本でも風邪に対して医師が処方できる薬は規制が進んでいくと思われます」(宮入さん)

 ちなみに、抗生物質は細菌を殺すものなので、ウイルスには効果がない。抗生物質を使うと耐性菌ができる可能性があるうえ、体の中の常在菌(いわゆる善玉菌)まで殺してしまうため、細菌に対する抵抗力を弱めてしまう。吐き気や下痢、アレルギーなどの副作用が起こることもあり、「風邪にも効きそうだから飲んでおこう」などというのは禁物で、本当に必要な場合以外には抗生物質は使わない方がよい。

 子どもを少しでも楽にしてあげようと思うのは親としては当然だが、なるべく薬には頼らず、つらい症状を最小限の量で適切に抑えるものと心得よう。市販の総合感冒薬や咳止め薬も、使うときは子どもに飲ませても大丈夫かどうか薬剤師に確認をしたい。

 「一般的に市販の総合感冒薬には、アセトアミノフェンなどの解熱剤と、咳止めの成分、鼻水を止める成分など多種類の成分が少しずつ配合されています。不必要な成分の濃度が高くなると肝臓の負担が増しますし、副作用のリスクも高まりますので、咳がひどい場合は咳止め薬など、困っている症状に合わせた薬を選ぶことをおすすめします」(宮入さん)

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 第3波を乗り切るためのコロナ対策NEW

    新型コロナウイルスの新規感染者が再び急増し、日本は今、流行の第3波を迎えている。今後さらに気温と湿度が下がると、ウイルスの生存により適した条件が整うようになる。これ以上の流行拡大を防ぐためには、1人1人が感染予防策を改めて見直し、感染リスクの高い行動を避けて生活することが不可欠だ。第3波を乗り切るためのコロナ対策を、もう一度まとめた。

  • 寝たきり予備軍「フレイル」を防ぐためにできること

    老化を防ぎ、健康寿命を延ばすためには、加齢により心身が衰えた状態である「フレイル」の予防が必要になる。フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に当たるが、これを避けるために特に重要なのが「筋肉量の維持」だ。筋肉量が減少すると、足腰が弱くなって寝たきりにつながるだけでなく、認知症や心疾患のリスクが上がることも分かってきた。筋肉量を維持し、フレイルを防ぐために何をすればよいだろうか。

  • 「ウォーキング」「ジョギング」 大きな健康効果を得るための小さなコツ

    ウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」には、「コロナ太り」の解消や、生活習慣病の予防、免疫力アップなどが期待できる。ただし、漫然と歩くだけでは運動効果は低いし、かといって本格的なジョギングは運動初心者にはハードルが高い。そこで運動効果の上がる歩き方と、初心者でもできる走り方のコツを紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.