日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > スポーツ・エクササイズ  > トピックス  > 医師が語る「冬のマラソンで起きがちなトラブル」と予防策  > 3ページ
印刷

トピックス

医師が語る「冬のマラソンで起きがちなトラブル」と予防策

天気が良くて走りやすい日ほど要注意?

 伊藤和弘=フリーランスライター

フジッコは神戸マラソンで塩昆布をランナーに配布している(写真 フジッコ提供)

 ミネラルを補給する手段としては、塩分補給タブレットや塩あめなどが定番だが、佐藤さんが最近注目しているのは塩昆布だ。「発汗で失われる様々なミネラルが含まれているのが魅力。そのまま食べてもいいし、細かく切っておにぎりに混ぜてもいい」(佐藤さん)。いずれにしても、あらかじめウエストポーチなどに入れておき、水分や糖質と同じく「30分に一度」を目安に補給するといいだろう。

 海外で100マイル(161キロメートル)のマラソン大会に出場した376人を対象にした調査によると、完走者の6.6%が低ナトリウム血症を起こしていた。ナトリウムの血中濃度はナトリウムのサプリメントの摂取率と直接的な関係があったという(Med Sci Sports Exerc. 2015 Sep;47(9):1781-7.)。

現代の食生活はビタミンとミネラルが不足しがち

 マラソン大会に出ようと思ったら、大会の前後だけではなく、毎日の食生活にも注意しなければならない。

 現代人の食生活は、どうしてもビタミンやミネラルが不足しがち。特にダイエットをしている人は、食べる量を減らすことで、カロリーだけではなく、ビタミンやミネラルまで減らしてしまう人が多い。「それを補うため、最低限必要なビタミンとミネラルが入ったマルチビタミンミネラルのサプリメントを大会の前はもちろん、日ごろからとったほうがいい」と佐藤さんはアドバイスする。

 佐藤さんによると、運動で糖や脂肪を燃やすにはビタミンB群が必要だ。その中の一つ、ナイアシン(ビタミンB3)は、足りなくなると必須アミノ酸のトリプトファンからも作られる。しかしトリプトファンは脳に入りセロトニンやメラトニンの原料にもなる重要なアミノ酸。そのためナイアシンの摂取量が足りないと、トリプトファンが使われることで運動後に脳内のセロトニンやメラトニンの量が減り、メンタルの維持や睡眠にも悪影響が出てくる可能性もあるという。

 普段から健康的な食事と睡眠を心がけ、走っている途中もこまめに水分、糖、ミネラルを補給する。そして、「体調が悪いときは決して無理をしないこと」と佐藤さん。

 健康のために始めた運動で健康を損ねては本末転倒だろう。記録や達成感も重要だがまずは命を大切に、安全にマラソンを楽しんでほしい。

佐藤 務(さとう つとむ)さん
稲毛病院 整形外科・健康支援科部長
佐藤 務(さとう つとむ)さん 1991年、宮崎医科大学卒業。95年から稲毛病院整形外科で勤務。97年にビタミン栄養療法外来を、2000年に健康支援科を創設した。日本サプリメント評議会評議員。マラソン大会のサポートドクターも務める。著書に『心と体を強くする!サプリメント活用法』(日東書院)、『50代からのサプリメント・バイブル』(講談社)など。

先頭へ

前へ

3/3 page

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

  • 寝ても取れない疲れを取るには?

    「疲労大国」といわれる日本。「頑張って仕事をすれば、ある程度疲れるのは当たり前」「休む間もないほど忙しいが、やりがいがあるから、さほど疲れは感じない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、睡眠時間を削るような働き方を続けていると、知らぬうちに疲れはたまる。結果、「寝てもなかなか疲れがとれない」という状態に陥るばかりか、免疫力の低下や、生活習慣病の発症につながることは多くの研究で知られている。疲労の正体から、疲労回復の実践的な方法までをまとめた。

  • つらい筋トレ不要? 効率的に「お腹を凹ませる」トレーニング

    薄着の季節になると、何かと気になる“お腹ぽっこり”。短期間で何とか解消したい!と思う人は多いだろう。しかし、スポーツジムでしっかり運動するのはつらいし、運動する時間を確保するのも大変だ。そこで、今回のテーマ別特集では、手軽に実践できる「ドローイン」と「猫背姿勢の改善」で“ぽっこりお腹”を解消していこう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.