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体が硬いと血管も硬い? ストレッチが動脈硬化の改善につながる可能性

「今年こそ運動を」というアナタへ

 伊藤和弘=フリーランスライター

 ウオーキングの場合は、「ややきつい運動強度、具体的には電車に乗り遅れそうなときの早歩き程度のスピードで、1日30分歩くことが推奨されている」と家光さん。30分通しで歩かなくても、10分ずつ3回に分けて歩くなど、細切れでもOKだという。2015年の国民健康・栄養調査によると、日本人の1日の平均歩数は男性が7194歩、女性が6227歩。「あと30分余計に歩くと約3000歩増えるので、1日の歩数が約1万歩になります」(家光さん)

体が硬い人は血管も硬い?

 そこまではいい。ジョギングや自転車はもちろん、ただ歩くだけでも運動には違いない。しかしストレッチで動脈硬化が改善するとはどういうことだろうか?

 もちろん、ストレッチが重要なことは分かる。本格的な運動の前後に行って体をほぐせば、運動中のケガや運動後の筋肉痛の防止につながる。日常的に続ければ体の柔軟性が高まり、生活の中でケガもしにくくなるだろう。

 実はその体の柔軟性が動脈硬化と関係しているという。20~83歳の526人を対象にした家光さんらの研究から、中高年層(40~83歳)の場合、「体が硬い人は、柔らかい人に比べて動脈硬化が進んでいることが分かった」のだ(図1)(*6)。

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 そこで家光さんは「ストレッチで体が柔らかくなれば、動脈硬化も改善するのではないか?」と考え、実験してみた。

 結果は予想通りだった。10種目のストレッチを合計40分間行うと、効果は1時間で消えるものの、15分後と30分後には動脈硬化が改善していた(*7)。片方の脚だけ30秒のストレッチを6セット行った結果、ストレッチをした脚だけ動脈硬化が改善することも分かった(*8)。

 「ストレッチによって一時的に血管が圧迫されて血流が低下し、やめた直後に解放され、血液が大量に流れる。それが動脈硬化の改善につながるのではないかと思います」(家光さん)

 1回やっただけでは効果は長続きしなかったが、長く続けて体の柔軟性が高くなったらどうだろう。家光さんらは中高年のボランティアに、5種目のストレッチ(イラスト参照)を1回10分間、1日2回続けてもらった。4週間後にPWV検査をすると、期待通り動脈硬化が改善していたという(図2)(*9)。

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中高年のボランティアに行ってもらった5種目のストレッチ。左右30秒ずつ1日2回(朝と夜)行うとよい(イラスト 平井さくら)
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*6 Yamamoto K et al. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2009 Oct;297(4):H1314-8.
*7 Yamato Y et al. Am J Phys med Rehabil. 2016 Oct;95(10):764-70.
*8 Yamato Y et al. Eur J Appl Physiol. 2017 Jun;117(6):1227-32.
*9 未発表データ

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