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つらい花粉症に 効果続きやすい貼り薬も登場

花粉症対策は[「先手必勝」も重要

 及川夕子=ライター

 後藤さんは、「花粉の時期くらい、多少の眠気が出ても仕方ないのではと言う医師もいるが、眠気がより出やすい薬は、安全性や作業効率の低下などに注意して処方する必要がある。また、第1世代の抗ヒスタミン薬は、睡眠の質や学習能力が低下しやすいことが懸念されるといった報告もある。働き盛りのビジネスマンには、比較的眠気が出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬が適切だろう」とアドバイスする。今の薬が合わない、眠気が出やすい、効き目が弱いなどと感じていたら、医師に相談してみるといいだろう。

皮膚に貼る花粉症薬は、効果の持続が最大のメリット

 2016年の鼻アレルギー診療ガイドラインでは、理想的な抗ヒスタミン薬として「即効性があり効果が持続する」「副作用(眠気、作業効率の低下など)が少ない」「長期投与ができる(安全性)」「投与回数が1日1、2回でアドヒアランス(*2)が良い」の4点を挙げている。

[画像のクリックで拡大表示]

 こうした条件のもと、2018年4月に発売されたのが、世界初の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬「アレサガテープ」だ。第2世代抗ヒスタミン薬に分類される「貼る花粉症薬」だ。本格的な花粉の飛散時期を初めて迎えるため、今季から本格的な活用が始まる。貼付薬とは皮膚に貼りつける薬で、有効成分が皮膚から吸収されるしくみ。内服薬とは代謝経路が異なるため、特に次のようなメリットがある。

  • 皮膚吸収であるため、胃腸・肝臓に負担をかけずに済む
  • 薬効の血中濃度がフラットに安定するため、効果が持続することが期待できる

 ただし、同じ場所に続けて貼ると、かゆくなったり赤くなったりしやすいので、貼る場所を毎日変更するなどの工夫が必要だ。

 「貼る薬は、皮膚からの吸収でじわじわと血中に浸透していくため、効き目が安定し症状が変化しにくいという利点があります。『1日1回の内服薬では、朝飲んだら夕方に効き目が落ちる気がする』といった場合に、医師に切り替えを相談するのも一策かもしれません。また、ほかの抗ヒスタミン薬と比べて眠気がより抑えられたり(眠気が起きないということではない)、肌に貼るので、内服薬と違って貼り忘れに気付きやすいなど、使い勝手の面でもメリットを感じる人は多い。こうした貼る薬ならではの特徴は、アドヒアランスの向上につながるのではないでしょうか」(後藤さん)

先手必勝!薬を使うタイミングは花粉が飛ぶ少し前から

 つらい花粉症シーズンを楽に乗り切るには、効き目に優れた薬剤を使うだけでなく、薬剤を使うタイミングも重要であることをご存じだろうか。

 まず、抗ヒスタミン薬などは、使い始めてから効果が出るまでにタイムラグがあることを押さえておきたい。また、花粉症では、繰り返し花粉を吸い込んでいるうちに、炎症が進み、症状が悪化する。症状がひどくなってから薬を使うのでは、症状が改善するまでにより多くの時間がかかってしまう。よって、花粉が飛ぶ前から薬での治療を始める(初期療法)ことが、シーズンを楽に乗り切る何よりのコツだ。そうすることで、症状が出る時期を遅らせ、ピーク時の症状を軽くすることができるという。

[画像のクリックで拡大表示]

 2019年は、広い範囲で例年より花粉の飛散量が「やや多い」との報告もある。早い地域では2月中旬から飛散開始となるため、そろそろ今年の花粉対策をどうするか、検討を始めよう。

*2 アドヒアランスとは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること。「アドヒアランスが良い」とは服薬状況が良いことを意味する。

(図版作成 増田真一)

後藤穣(ごとう みのる)さん
日本医科大学耳鼻咽喉科学教室准教授
後藤穣(ごとう みのる)さん 日本医科大学医学部卒業後、同大学耳鼻咽喉科学講師、同大学多摩永山病院病院教授などを経て現職。専門は、アレルギー性鼻炎、花粉症。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医・専門研修指導医、日本アレルギー学会認定アレルギー指導医。

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