日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > トピックス  > 午後遅いコーヒーは避けるべし 寝不足を加速させる  > 2ページ目
印刷

トピックス

午後遅いコーヒーは避けるべし 寝不足を加速させる

アリアナ・ハフィントン流 最高の結果を残すための「睡眠革命」(5)

 アリアナ・ハフィントン

寝る直前の「大食」はアウト

特に逆流性食道炎がある場合、寝る直前の大食は避けたほうがいい(©bowie15 -123rf)

 寝る直前に大食しないほうがいいというのは本当だろうか? 答えは「イエス」だ。

 古くからあるこの知恵は正しい。逆流性食道炎がある場合は特にそうだ。推定で米国人の4割に見られるというこの病気の専門家、ジェイミー・カウフマンは、現代人の働き方を考えると、このことが大きな問題になりうると指摘する。

 「患者を見ていて気づいたことだが、ここ20年ほどで、夕食の時刻が次第に遅くなっている傾向がある。労働時間が長くなっただけでも夕食の時間は遅くなっているのだが、さらに買い物や運動が拍車をかけている」

 カウフマンによると、食事時間を早めることこそ逆流性食道炎を防ぐ「最重要の対処法」だ。また、彼女の患者の多くが、それによって睡眠時無呼吸の症状も軽くなったという。

 食事を消化するには2~3時間かかる。だから、たとえ逆流性食道炎がなくても、夕食の時刻には注意を払うべきだ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の精神医学教授クリストファー・コーウェルによれば、遅い時間や普通でない時間に食事をすると、概日リズムが乱れて、そのため睡眠覚醒サイクルも乱れる可能性があるという。

 「我々は、スイッチさえひねればいつでも働けるという幻想を持っている。食事についてもそうだ。しかし我々の生物学的システムは(中略)概日リズムをもとに動いている」

 私はかつて、プロジェクトを夜のうちに完成させようとして、エネルギー源を食べ物に求めていたことがある。体が切に求めていたのは睡眠だったのに。結局、脱水と胃もたれを感じてよく目を覚ました。もちろん、二人として同じ人はいない。だから自分を研究する科学者になったつもりで、自分の睡眠には何が最も適しているかを観察し、分析し、実験してみるのがいい。それはエキサイティングな試みだ。

辛い食べ物、脂肪分が多い食べ物もご法度

 スパイスの効いた食べ物も、就寝直前には避けたほうがいい。胃もたれや膨満感を引き起こすことがあるからだ。オーストラリアの研究によれば、就寝前にタバスコとマスタードが入った食べ物を食べた人は、寝つくまでに時間がかかり、睡眠時間も短かった。このグループは、その食後に体温も上昇したという。これも睡眠の質の低下につながる要因の一つだ。

 また、脂肪分が多い食品を取りすぎることも、睡眠の妨げになる。ラットの実験では、高脂肪食を取ると睡眠が分断されやすくなったという。これらのラットはトータルの睡眠時間が長くなったが、その余分の睡眠は主に日中に生じた。同じ研究で、高脂肪食と日中の過剰な眠気との関連も見られたという。過剰な眠気は肥満の人によくみられる症状だ。

 食べ物と睡眠との関連性を理解すると、いくつかのつらい真実ものみ込まざるを得なくなる(カフェインを抜く、スパイスを避ける、脂肪分を減らすなど)。ハフポストのウェルネス担当編集者でサンタモニカ健康センターの設立者でもあるパトリシア・フィッツジェラルドによれば、「20年間の診察で患者たちから聞いた最大の敵は、深夜のアイスクリーム。断トツのナンバーワンよ」とのことだ。彼女は、アイスクリームだけでなく、就寝前には糖分自体を避けることを勧めている。

 それから、これは科学的研究があまりないかもしれないが、睡眠前に「塩分の多い食べ物と怖い映画」という組み合わせは避けたほうがいいかもしれない。私には実体験がある。

 当時8歳と6歳だった娘たちが、塩味の効いたポップコーンの大袋を手に『ゴーストバスターズ』を見ていた。大人にとってはコメディー映画だが、うちの娘たちにはまったく違っていた。その夜は大変だった。2人をようやく寝かしつけた時には深夜を回っていた。それ以来、塩分の多い食べ物と怖い映画はわが家の「寝る前はだめ!」リストに加わった。

(訳 本間徳子)

【連載】
アリアナ・ハフィントン流 最高の結果を残すための「睡眠革命」
第1回 ハフィントン氏 死を招く睡眠不足、世界最短は東京
第2回 「睡眠不足」悪事の数々 免疫低下、無力感、体重増も
第3回 睡眠不足は脳に重大な影響 「あとで取り戻せる」は嘘
第4回 短時間睡眠は時代遅れ 名だたるCEOが8時間宣言
アリアナ・ハフィントンさん
「ハフィントンポスト」創設者、スライブ・グローバル社の創設者・CEO
アリアナ・ハフィントンさん 2005年5月にスタートした『ハフィントンポスト』はたちまち評判になり、多数の読者を獲得。2012年にはピューリッツァー賞(国内報道部門)を受賞した。2016年8月に設立した新会社スライブ・グローバルは、人々の健康と生産性向上のため、最新の科学的知見にもとづくトレーニング、セミナー、eラーニング講座、コーチング、継続的サポートなどを世界各地の企業および個人に提供すると発表している。近著に『Thrive』(邦題『サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功』CCCメディアハウス)。最新刊『The Sleep Revolution』(邦題『スリープ・レボリューション』日経BP社)は米国で15万部のヒットに。
書籍『スリープ・レボリューション 最高の結果を残すための「睡眠革命」』を再構成

スリープ・レボリューション

著者 : アリアナ・ハフィントン
出版 : 日経BP社
価格 : 1,944円 (税込み)

先頭へ

前へ

2/2 page

日経グッデイ春割キャンペーン

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 肩の痛みから高血圧まで、「姿勢の崩れ」は様々な不調の原因に

    「姿勢」が、肩こりや腰痛の原因になることを知っている人は多いだろうが、足の痛みや高血圧、誤嚥性肺炎まで、全身の様々な不調・疾患の原因になることをご存じの方は少ないかもしれない。これまでに掲載した人気記事から、姿勢と様々な病気・不調との関係について知っておきたいことをコンパクトにまとめた。

  • あなたも「隠れ心房細動」?! 高齢化で急増する危険な不整脈

    脈の速さやリズムが乱れる「不整脈」。その一種である「心房細動」は、高齢化に伴い患者数が増加しており、潜在患者も含めると100万人を超えると言われている。心房細動の怖いところは、放置すると脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性があることだ。本記事では、心房細動の症状や早期発見のコツ、治療のポイントなどをコンパクトにまとめた。

  • 変形性膝関節症のつらい痛みを改善する運動とは?

    年を取ると多くの人が感じる「膝の痛み」。その原因で最もよくあるケースが「変形性膝関節症」だ。膝が痛いと外出がおっくうになり、体を動かす機会が減るため、そのまま何もしないとますます足腰が衰えてしまう。だが実は、変形性膝関節症の痛みをとり、関節の動きを改善するために有効なのが、膝への負担を抑えた「運動」なのだ。ここでは、膝の痛みが起きる仕組みから、改善するための運動のやり方までをまとめよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設 日経Gooday春割キャンペーン

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.