【PR】「脳・心血管疾患発症ゼロ」に向け技術革新に挑む
異業種とも連携し「ゼロイベント」を目指す
さらに、近年では高血圧が世界共通の社会的課題となる中、同社は15年に新たな事業ビジョンを掲げている。脳・心血管疾患の発症(イベント)をゼロにする「ゼロイベント」だ。
「商品を開発・販売するだけでなく、それによって何を実現するか。企業としてのミッションを追求していく中で生まれたコンセプトでした」
壮大な目標のようだが、まずは同社が先駆けてゼロイベントを実現すべく、全社員が毎日血圧を測り、適正な血圧コントロールを目指す社内プロジェクト(ゼロイベントチャレンジ)も始動。全社を挙げて食事、運動など生活習慣の改善を進めている。
また、18年12月に北米、19年12月には日本で、今までにない画期的な血圧計も誕生。オムロン ウェアラブル血圧計HCR-6900Tシリーズ HeartGuide(以下、HeartGuide)だ。

特徴は、腕時計のように身に着け、いつでもどこでも血圧を測れること。血圧測定の頻度を増やすことにより、危険な血圧変動の把握が可能になるのではと期待を寄せる。なにより、血圧計の標準的な測定法を採用し、医療機器認証を取得しているのがポイントだ。
「正確に測定するには、動脈をカフ(腕帯)で十分に圧迫する必要があるのですが、カフを細くするほど圧迫が難しくなるといった課題がありました」
カフ構造の見直しや部品の小型化といった技術革新を進め、ハードルの高い医療精度での血圧測定を実現したという。
だが、HeartGuideの誕生はビジョン達成への一歩にすぎない。「サイズや機能にも改良の余地がありますし、将来的に高血圧治療で推奨されるには医療関係者との協力体制も必須です」と語った。今後、医療現場での活用を進め、日中の血圧変動と脳・心血管疾患の関係性や、HeartGuideの有用性を確認し、さらなる改善を目指すという。
「既に指摘されている睡眠時無呼吸症候群や認知症との関連性など、高血圧について解明すべきテーマも多く残されています。そこから見えてきた課題に対し、協業パートナーと連携した商品・サービスの開発で、ゼロイベントを実現していきたいですね」。広く垣根を越えたゼロイベントへの挑戦により、高血圧予防・治療が、今後どう進化していくのか。新たな動きにも注目したい。
※2 出典:「高血圧治療ガイドライン2019」
※3 オムロン ヘルスケア調べ