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リオ五輪後の日本が危ない! ジカ熱が中南米で急増

ブラジルでは「新生児100人に1人が小頭症」の異常事態も

 大西淳子=医学ジャーナリスト

「新生児100人に1人が小頭症」の異常事態も

 ジカウイルスに感染しても、ジカ熱を発症するのは5人に1人程度といわれています。

 発症は蚊に刺されてから3~12日後で、急な発熱と、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑点状丘疹(平らに盛り上がった1cm以下の発疹が多発する)、結膜炎、疲労感などの症状が起こります。ジカ熱患者のための特別な治療法はありません。通常は軽症のまま2~7日間持続し、多くが治療なしに回復します。健康な成人がジカ熱によって死に至ることはまれですが、別の病気を持っている患者や、免疫力が低下している患者の場合には、生命にかかわる可能性があります。

ジカ熱が広がれば胎児に危険が及ぶ。(©Thanatip Srahongthong-123rf)
ジカ熱が広がれば胎児に危険が及ぶ。(©Thanatip Srahongthong-123rf)

 さらに問題なのは、妊婦が感染した場合です。ブラジルでは、ジカ熱の流行が広まるにつれて、小頭症の新生児の報告が増加しました。

 欧州連合(EU)に属する欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control、略称:ECDC)の報告(*2)によると、2014年までは、ブラジルで報告される小頭症の新生児の数は、毎年150人前後でした。

 ところが、ブラジル保健省の報告(*3)によると、2015年は、12月27日までの報告数が3174人に達し、1週間後の2016年1月3日には3530人となり、1週間に356人も増加していました。そして、1月16日までの合計は3893人になっています。

表 ブラジルで報告された小頭症の新生児の数
201020112012201320142015~2016年1月16日
小頭症(人)1531391751671473893

 最新の情報によると、ブラジル全体で出産1万件当たり15.5人の新生児が小頭症でした(※出産件数に死産は含まれていない)。小頭症が最も多く発生している地域では1万件当たり114.2人で、出産100件当たり1人を超える小頭症の新生児が誕生しています。

 報告されている小頭症の新生児のうち、胎内でジカウイルスに感染したことが証明された新生児はまだわずかですが、現在も調査が進んでいます。

 また、小頭症で生まれた新生児3893人のうち49人(1.3%)が死亡しており、うち5人はジカウイルス感染症による死亡であることが確認されています。

 まだ、妊婦がジカウイルスに感染すると胎児が小頭症になると明確に分かったわけではありませんが、母親が感染することにより胎児も感染して、小頭症を発症することを示す情報が蓄積されつつあります(*4)。

 脳の発達が不十分で頭が小さい小頭症の子どもの多くは、さまざまな程度の発達障害を負うことになります。先天性の場合、残念ながら有効な治療はありません。

 そして、ジカ熱で注意しなければならないのは小頭症だけではありません。それは…

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