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『究極の食事』著者が語る、「体に良い食品」の見極め方

エビデンスレベルが低いのは経験談、最強はメタアナリシス

 村山真由美=ライター

 「観察研究」というのは、食事に関するデータを集めてきて、特定の食品をたくさん食べているグループとあまり食べていないグループを見つけ、その後の病気や死亡の割合を評価するもの。「この研究には、対象になった食品以外の食品の影響や運動習慣、喫煙習慣など、他の要素が絡んでくるため、本当の効果が分かりにくい、という問題点があります」(津川さん)

 その上の「ランダム化比較試験」というのは、薬の効果を評価するときなどに使われる手法だ。集団をくじ引きなどで無作為(ランダム)に2つに分け、一方は薬を、もう一方は偽薬(小麦粉や砂糖などで作った薬そっくりなもの)を飲み、その後の健康状態を追跡して調べる。観察研究よりも正確に効果を評価することができる。

 「メタアナリシス」は、複数の観察研究やランダム化比較試験を取りまとめた研究だ。「1つの研究だけなら、特定の国民や集団にしか認められないパターンだったかもしれませんが、10個、20個の研究結果が同じであれば、それはかなり信頼性が高いと言えます」(津川さん)

 「この食品が体に良い」といった情報を目にするとき、それがどんな根拠に基づく情報なのか――個人や専門家の経験談に基づくものなのか、何らかの研究に基づく場合、それはどんな研究なのか――ということに注目すれば、その情報の信頼度を見極める目安になりそうだ。

食品を健康に良いかどうかで5つに分類すると…

 図2は、津川さんが食品を健康に良いかどうかで分類した表だ。「グループ(1)と(5)はメタアナリシスによって健康に良い悪いが明らかになっているものです。(2)と(4)は少数の研究はあるが、健康に良い悪いは確定的には言えない食品。(3)はメリットもデメリットも報告されていない食品です」(津川さん)

[画像のクリックで拡大表示]

 これを見ると、現段階で健康に良い悪いが明らかになっている食品はわずかだということが分かる。ということは、私たちはグループ(1)だけを食べるようにすればいいのだろうか?

 「そうではありません。何を食べるかを選択するときに、この事実を判断材料にしてほしいのです。例えば、赤い肉は健康に悪いと考えられていますが、ステーキを食べると幸せになれるなら、幸福度と健康を天秤にかけて、たまにはステーキを食べるという選択もありでしょう。自分の意思で選択したのであれば、病気になっても納得できるかもしれません。しかし、事実を知らないまま、知らず知らずに病気になってしまうのは不幸だと思います。正しい知識を得て、健康になるか病気になるかを自分で選択する力を持ってください」(津川さん)

炭水化物は茶色と白は全く別もの

 ではここで、前述の3つのクイズの解説をしていこう。まずは、設問(1)炭水化物について。

 「炭水化物は健康に良いという研究と悪いという研究がたくさんあります。なぜそうなるかというと、多くの研究が、白い炭水化物と茶色い炭水化物を区別せずに評価しているからです。白い炭水化物は糖尿病のリスクや心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めますが、茶色い炭水化物は死亡率、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病のリスクを下げると報告されています。また、茶色い炭水化物は、やせる、大腸がんのリスクを下げるという研究結果もあります」(津川さん)

 白い炭水化物とは精製した白米や小麦粉などで、茶色い炭水化物とは穀類を精製していない玄米、全粒粉、雑穀、そばなどだ。白と茶色では体に与える影響が逆なのだ。

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