市販薬は、症状改善といった効果が期待される半面、副作用の心配がつきものです。実は、副作用のない薬はありません。薬を使っていて、「体調がいつもと違うな」と感じたら使うのを止めて、医師や薬剤師に相談しましょう。

副作用とは、医薬品の作用のうち使用者に生じた好ましくない症状のことを指します。決められた用法・用量を守って、正しく使っていれば重大な副作用はめったに起りませんが、起こる可能性はゼロではありません。
今回は、副作用とは何か、「副作用かも…」と感じた場合にどのようにしたら良いのか解説しましょう。
副作用は誰にでも起こる可能性がある
副作用は、「比較的よく現れる軽微なもの」と「まれに起こる重大なもの」に大きく分けられます。
「比較的よく現れる軽微な副作用」には、薬を使った(飲んだ)後の眠気、喉の渇き、皮膚のかゆみ、胃痛、吐き気、下痢などが当てはまります。販売前の臨床試験で明らかになっているものが多く、使う前に予測できる症状です。医薬品の成分以外にも、薬を使った人の病状・体調の悪化や、その人の体質も副作用の原因になります。ただし、症状が軽いといっても、重大な副作用の前触れではないとは言い切れないので、注意しないといけません。
「まれに起こる重大な副作用」には、アレルギー反応の一種であるアナフィラキシーショックなど、最悪の場合、死に至るような症状が該当します。偶発的なことが多いため、予測は非常に難しいといわれています。代表的な副作用と初期症状は次の通りです。
副作用 | 初期症状 |
過敏症 | 皮膚のかゆみやじんましん、悪心、息苦さ、手足や口唇のしびれ、顔のほてりなど ※薬を飲んで皮膚に症状が現れるまで、数分から3、4日と差があります |
重い肝障害 | 発熱(38~39℃)、食欲がない、吐き気がする、気分が悪い、全身がだるい、体がかゆい、発疹が出る、白目や皮膚が黄色くなるなど |
急性腎不全 | 顔や手足がむくむ、尿の量が減る、尿の色が赤くなる、発熱、吐き気、関節が痛む、腹痛など |
再生不良性貧血 | 発熱、のどが痛む、歯ぐきや鼻などから出血しやすくなる、手足に赤いあざや斑点ができる、全身がだるいなど |
横紋筋融解症 | 手足に力が入らない、手足のしびれやこわばり、全身の筋肉が痛む、全身がだるい、尿の色が赤褐色になるなど |
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群) | 発熱、頭痛、関節の痛み、口の中や目の粘膜などに水ぶくれができる、皮膚がまだらに赤くなるなど |
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群) | 発熱、皮膚がまだらに赤くなる、やけどのような皮膚の症状(痛み、水ぶくれ、熱く感じるなど)、口の中が荒れるなど |