肌の露出が多い夏場は、虫も活発に活動するため、虫に刺されることが多くなります。虫刺されは、市販薬で対処することが当たり前になってきていますが、中には受診が必要なケースや市販薬の使用が適さない場合もあるので、注意が必要です。

かつて、虫刺されの薬といえば、夏の子供の常備薬でした。しかし、最近では中高年のハイキングやファッショナブルな山ガールが流行しているため、大人も多く使うようになってきています。
野外で虫に刺されないためには、なるべく素肌を露出させない、うかつに虫を素手で触れないなどの基本を守り、必要に応じて虫よけスプレーを利用しましょう。刺されてしまった場合には、そのままにしておくと、赤みや腫れが増してきて、症状が悪化する場合があります。
市販薬で対処できるものは、蚊やブヨ、毛虫、ダニ、クラゲなどの虫さされのほか、あせもやかぶれ(接触性皮膚炎)などが原因のかゆみで、局所的なものです。
1.こんな場合はすぐに受診
皮膚のかゆみや腫れが広範囲で起こっている場合は、市販薬に頼るのではなく、皮膚科を受診しましょう。
例えば、子どもの皮膚にできた水ぶくれやただれがどんどん広がっていく場合は「とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)」の可能性があります。また、皮膚の赤い発疹の上に白いフケのようなかさぶた(鱗屑:りんぺん)ができ、発疹の境が盛り上がっていたら「乾癬(かんせん)」の可能性があります。そのほか、症状がひどかったり、なかなか治らないじんましんが疑われる場合も市販薬ではなく、皮膚科や内科を受診しましょう。