花粉症はだるさといった全身症状のほか、鼻水・鼻詰まり、眼のかゆみなど局所的な症状が強いのが特徴です。今回は、花粉症の症状に有効な点鼻薬・点眼薬について解説しましょう。

前回(「花粉症をなんとかしたい!」 内服薬編)は、花粉症に有効な、飲んで効く薬(内服薬)について解説しました。今回は花粉症の症状に有効な点鼻薬と点眼薬について解説しましょう。
内服薬は、有効成分が全身の血管を巡って体のすみずみに届けられるので、体全体のアレルギー反応を抑えます。一方、鼻に噴霧する点鼻薬、眼に差す点眼薬は局所的に使用するため、効果が現れる範囲は限定的です。内服薬に比べて、効果を実感するまでが早いのも特徴と言えるでしょう。いずれも、不快なアレルギー症状を抑える対症療法という位置付けです。
1.こんな場合はすぐに受診!
花粉症の症状はアレルゲンとなる花粉が飛散している期間だけ現れます。花粉の飛散時期を過ぎても長期間症状が続く場合、慢性鼻炎や慢性結膜炎と呼ばれ、専門医による治療が必要になります。もし、症状が半年以上続く場合には市販薬で対処するのではなく、医療機関を受診してください。
その他に、熱が高い、色の付いた鼻水が出る、急に症状が悪化するような場合も花粉症以外の病気が考えられますので、受診するようにしてください。
2.症状のタイプと合う成分(点鼻薬・点眼薬)
点鼻薬や点眼薬は内服薬に比べて、眠気といった全身の副作用が起こりにくいと考えられています。そのため、車や機械を操作する方にお薦めです。内服薬と併用しても問題ないといわれていますが、使用の前に医師もしくは薬剤師に相談しておくといいでしょう。
点鼻薬
点鼻薬では、ステロイド(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)がメーンになってきています。ステロイドは強力な抗炎症作用があり、くしゃみ、鼻水、鼻閉に対して効果があります。
他にも、鼻粘膜の血管を収縮させて鼻腔中の腫れを軽減させる血管収縮成分(ナファゾリン塩酸塩など)、くしゃみ、鼻水などを軽減させる抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)、鼻粘膜の不快感などを軽減させる局所麻酔成分(リドカインなど)、化学伝達物質の遊離を抑制する成分(クロモグリク酸ナトリウム)などが、点鼻薬に配合されています。