タバコは「百害あって一利なし」といわれますが、喫煙が長年の習慣になっている人は、自分の意志だけで禁煙しようとするのは難しいかもしれません。医療機関では禁煙外来が登場する一方、市販薬にも禁煙をサポートする薬があります。今回は「禁煙補助薬」について説明しましょう。

喫煙の年数が長くなると、脳の神経伝達系が変化し、ニコチンなしではイライラや集中力の低下といた離脱症状(禁断症状)が現れるようになります。こうしたニコチン依存状態の人たちでは、血液中のニコチン濃度が下がることで、胃腸の不調やめまいといった症状が現れることもわかってきています。
市販の禁煙補助薬は、タバコが関係する作用の中でも、特にニコチン依存に着目し、段階的に禁煙に導いていくものです。2008年に医療機関で処方されているニコチンパッチが市販薬としても販売されるようになりました。体内のニコチンが欠乏することで起こる離脱症状を、ニコチンの補充によって軽減させ、徐々にニコチンの量を減らしていきます。この方法は医療機関でも行われていて、ニコチン置換療法とも呼ばれています。
1.こんな場合はすぐに受診
市販のニコチン製剤で禁煙することは健康のために素晴らしいことですが、受診して専門医の指導の下、禁煙に取り組むほうがよい人もいます。
- 喫煙本数が1日20本を超える人
- 心臓病(狭心症、不整脈など)の人
- うつ病の人
- 妊娠中の人(*)
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