かぜは1年を通してかかる病気ですが、特に気温が低く、乾燥した冬は流行のピークを迎えます。市販のかぜ薬は種類がたくさんあり、配合されている成分によって対処できる症状には得手不得手があります。「のどが痛い」「咳が出る」「熱が高い」など、あなたのかぜの症状に合わせて製品を選択することが賢明です。
かぜとは?

かぜは、医療現場では「かぜ症候群」と呼ばれ、主に鼻・のど(上気道)で起こる急性炎症の総称です。くしゃみや鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱、頭痛、といった症状が現れます。かぜの原因は80~90%がウイルス(アデノウイルス、ライノウイルスなど)の感染によるもので、5~6日の潜伏期間を経て発症します。
大人の場合、発熱や全身倦怠感などは比較的軽く済みますが、頭痛や鼻の症状、のどの痛み、咳・たんなどの症状がひどくなることがあります。子どもは、高熱になりやすい一方で、機嫌が良く、食欲があり、しっかり眠れていればさほど問題はありません。
かぜが流行する冬は、インフルエンザも猛威を振るう季節です。インフルエンザの症状は、かぜとオーバーラップするものがほとんどですが、インフルエンザは潜伏期間が短く(1~2日)、大人でも38℃を超す高熱が出たり、悪寒、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状が強く現れるのが特徴です。
かぜ | インフルエンザ | |
時期 | 1年を通して発病するが、空気の乾燥する冬に多く見られる。 | 伝搬力が強く、冬の時期に流行する。 |
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感染経路 | 飛沫感染 | 飛沫感染 |
症状 | 咳や鼻水など、のどより上の症状が中心 発熱はあっても38℃以下 軽い咳(時に激しい咳) 白く粘液性の痰 のどの痛みを伴うことが多い 悪寒・倦怠感・筋肉痛は少ない | 高熱(38℃以上)を伴う 軽い咳 白く粘液性の痰 のどの痛みは少ない 悪寒・倦怠感・筋肉痛を伴う |
市販薬の適応 | ◯ | ✕(抗インフルエンザ薬が有効) |
市販薬で対処できるのは、一般的なかぜの症状です。かぜは1~2週間で自然に良くなる人がほとんどですが、体力低下が著しい人や高齢者では症状が長引き、副鼻腔炎や肺炎などの合併症を引き起こすことがあります。
1.こんな場合はすぐに受診
38℃を超す高熱が出ている場合や、関節痛などが強くインフルエンザの感染が疑われる場合は、市販薬で対処せず、医療機関をすぐに受診しましょう。また、市販薬を1週間程度飲んでも症状が良くならない場合も、かぜ以外の病気や合併症の可能性が考えられますので、受診をお勧めします。