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COML患者塾

2025年に向けて医療介護がこう動きます

【話題提供】山口 育子 (COML理事長)

 NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

いま話題になっている2025年問題。皆さんはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。今回の患者塾では、来たるべき2025年に向けて医療介護がどのような方向に進もうとしているのか、皆さんに知っておいてほしいことをご紹介しました。(本記事はCOMLの会報誌2014年11月号からの転載です)

近い将来直面する2025年問題

 2014 年、団塊の世代が全員、前期高齢者(65歳以上74歳未満)になります。すると2025 年には団塊の世代は全員、後期高齢者(75歳以上)になるわけです。そのとき驚くべきことに日本人の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になっているのです。都市部では急激に高齢者数が増加し、地方では人口が減って消滅する自治体もあると言われています。

 それに高齢者が増えるということは、認知症を含む複数の疾患を抱えた高齢の患者さんも増えるということです。いまよりさらに病院で完結する医療から地域で完結する医療が求められますし、そのためには地域包括ケアや在宅医療の充実が欠かせません。すなわち医療と介護を切れ目なく利用できる社会づくりが必要なのです。

 私は正直なところ「2025年問題対策はいまの準備体制で間に合うのだろうか」と危惧を抱いています。おそらくこれまでに経験したことのない、予想できない世のなかが到来するでしょう。少人数で多くの高齢者をどのように支えるのか、人的にも経済的にもシステムとしても不安です。しかし、いまの世のなかにその切迫感が感じられません。10年後はあっという間にやってくるにもかかわらず・・・です。

 たとえば、以前から国が推進している在宅医療の体制はいまだに充実していません。地域差もありますが、そもそも訪問診療医や訪問看護ステーションが不足しています。また家庭の状況によっては在宅医療が実現不可能な家庭も数多くあります。それに国民には日本の医療の現状に関する情報が行き届いておらず、“現状”の理解が得られていません。COMLの電話相談にも「まだ治っていないのに転院をすすめられた」という声がよく届きます。これは、医療機能が分化して、かつてのように一つの病院で治療を受ける時代でなくなっていることを国民が知らないからです。

病床機能情報の報告制度

 高齢者が増え患者数が増えるとなると、入院できるベッド(病床)数を増やせばいいと思われる方もいるかもしれません。しかし、日本では病床規制があり、安易に数は増やせないのです。これは医療法で定められていることなのですが、まず病院と有床診療所の開設・増設は許可制、無床診療所の開設は届け出制です。また病院の開設や増設、病床種別の変更申請について都道府県知事は申請者に変更を勧告することもできます。この勧告に従わずに申請すると、健康保険法では厚生労働省大臣が保険医療病床の指定を除外できます。

 また、医療法に定められた医療計画のなかで、都道府県は5年間ごとに病床数(医療提供の量)を管理し、医療連携や医療安全(医療提供の質)を評価しなければならないことになっています。具体的には、二次医療圏(※)ごとに「一般」「療養」基準病床数、都道府県ごとに「精神」「感染症」「結核」基準病床数を決めるのです。つまり病床数には上限が設けられていて、上限を超えた病床の整備は認められません。

※)二次医療圏とは入院医療が提供できる単位で設定された地域区分。地理的条件(自然的条件)、日常生活の需要の充足程度、交通事情など社会的条件を考慮して設定する。

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