条件次第で加算される
このような基本料金には、条件次第で加算がつきます。診療所と病院に共通している加算は、時間外加算、深夜加算、休日加算、乳幼児加算です(初診と再診では点数が異なります)。
診療所と200床未満の病院では、一定の検査やリハビリ、処置、手術などをおこなわず、懇切丁寧な説明で医学管理をおこなった場合に外来管理加算が請求されます。また、診療所のみ認められている加算として、夜間・早朝等加算(初診・再診)、時間外対応加算(再診のみ)、明細書発行体制等加算(再診のみ)、地域包括診療加算(条件に合う患者のみ)があります。
夜間・早朝等加算とは、午後6時~午前8時までの時間帯で、診療所が通常の診療時間として標榜していれば請求できる加算です(50 点)。たとえば、午後4時~午後7時まで診療している診療所があるとすれば、午後4時~午後5時59 分までに受けつけした患者は請求されませんが、午後6時以降に受けつけをした患者は50 点分多く請求されるという加算なのです。
これは、病院の夜間救急外来を受診する患者が増えたときに、診療所でも夜間の患者に対応してもらおうと、遅くまで診療している診療所に報酬が加わるように設定されたものです。夜間・早朝等加算という名称ですが、土曜日は午後1時以降が対象になります。
時折、COMLの電話相談に「標榜してある時間内に受診したのに、時間外の加算を請求されている」と誤解して苦情が届くのが、“時間外対応加算”です。これは、時間外加算と名称が似ているので、勘違いされる方が多いのです。
この加算は、2012 年3月までは地域医療貢献等加算という名称でした。夜間・早朝等加算と同様の考えで、夜間や時間外に具合が悪くなった患者に、電話などで相談に乗ることで救急外来に殺到する患者を減らそうというものでした。それが2012 年4月の改定で、時間外対応加算という名称に変わり、3種類に分けられました。すべての時間帯に対応する体制を取っていれば5点、午後10時まで対応可能なら3点、3カ所程度の診療所で輪番制にしていれば1点で、相談の有無を問わず、相談できる体制を取っていれば再診の患者すべてから請求できるという加算です。
慢性疾患の管理料
医療費の相談で比較的多い相談が、「大きな病院から地域の医療機関への転院を勧められ、それに従って転院したら費用負担が重くなった」という内容です。
たとえば「高血圧で倒れ救急車で病院に運ばれ入院した。その後しばらく外来通院したが、合う薬が見つかり、症状が安定したので、紹介された診療所に転院した。すると、病院では500円でお釣りがもらえる程度の請求額だったのに、同じ診療内容で2,000円ほど割高になった。医師から問診を受けて院外処方せんを発行してもらっただけなのに、高すぎないか」という相談です。
このような場合、診療所2種類と200床以上の病院で試算した一例が以下の表です(条件次第で加算などが異なりますので、同じ診療内容でも異なる請求額になる場合があります)。
診療所Aと診療所Bでは、高血圧の患者に対して請求されている管理料が“生活習慣病管理料”なのか“特定疾患療養管理料”なのかが違います。生活習慣病管理料は脂質異常症、高血圧、糖尿病の3疾患に認められている管理料で、医学管理・検査・投薬・注射などが包括化されています。請求されるのは月1回で、療養計画書が手渡されることになっています。各疾患によって、また院内処方か院外処方かで点数は異なります。
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