関節リウマチのリスクが真逆だぞ!
ということで、せっかくだから関節リウマチと肺腺がんについて、前回勉強したSNPを見ておくことにしよう。関節リウマチはrs13192471と、rs2233434のSNPの研究報告によっているという(写真3)。リスクはそれぞれ2.67倍と0.92倍で、これらの数字から2.46倍をはじき出している。遺伝要因の影響度は53~65%とのこと(写真4)。
一方、それ以前に結果が判明していたマイコードによる関節リウマチのリスクは、先でも触れたように0.52倍だった。なんと、2社で真逆の結果となっている。
ちなみに、論文評価レベルは3段階中で最も高く、この点ではジーンクエストと同様だ。ただし、マイコードは12種類のSNPを評価対象としており、ジーンクエストと共通しているのはrs2233434のみ。念のためマイコードのrs2233434の解析結果を見てみると・・・おや、ジーンクエストとは私の塩基が違う(写真5)。ジーンクエストはTTなのに、マイコードはAA。他も、塩基が異っている。両SNPともリスクの数値(オッズ比)は同じだから、2社のいずれかの結果が間違っているのかも(その後、2社における塩基の表記方式の違いと判明)。ま、いいや。会社によって評価対象となるSNPの数も違えば、リスクも真逆。また、SNPの解説文にもミスがある。これが今の遺伝子検査の“現実”ということですね。
本ページ最終パラグラフ「2社のいずれかの結果が間違っているのだろう(単純な表記ミスか?)。」を「2社のいずれかの結果が間違っているのかも(その後、2社における塩基の表記方式の違いと判明)」に修正いたしました。 [2014/11/11]
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