一方のジーンクエストのキットは、マイコードと比較すると、税込み4万9800円とは思えないチープな印象を受けた。写真3のように米国製のキットそのまま(マイコードも米国製だがキットのパッケージは日本語表記)に、数ページの説明書のみ。検体とともに送り返す検査同意書も、マイコードはカーボンコピーの「お客様控え」が手元に残るが、ジーンクエストは必要ならばコピーを取って下さいと書いてあった。諸々の説明もほとんどWebを参照する仕組みになっており、全体的にコスト重視の経営姿勢を感じてしまう。
ま、それはさておき早速、検体採取。と言っても血液を採ったりするわけではない。唾液を口の中にためて採取容器に入れるだけ(写真4)。DNAは細胞の核内にあるので、細胞が剥がれやすい口の中の粘膜細胞が採取できれば十分なのだという。ちなみにDeNAの手順書には「唾液採取の30分前から水以外のものを口に含んだり、口紅などを付けたりしないでください」と書いてあった。
採取後は、検査申し込み書兼同意書と共に検体を郵送する。また、結果はネットで見ることになるので、被験者登録(検査キットのID登録)をネットで行う。この流れは基本的に2社とも同じだ。
さて、検体を郵送したのは両社とも8月18日だった。6日後の24日にはDeNAライフサイエンスから「試料を受領したので、解析センターで検査を開始する」旨のメールが届いた。ジーンクエストからは梨のつぶてなので、サイトに行ってみると状況が「検査中」と表示されている。ここで「ああ検体は届いてたんだ」と安心。それにしても、「検体受領」のメールくらい欲しいところ。ジーンクエストの社長は京大卒、今は東大大学院で学ぶ20歳代後半の女性だという。女性社長ならでは細やかさは、今のところ感じられない(そう言えば、DeNAライフサイエンスの親会社DeNAの前CEOも女性でした)。
とそんなこんなの不満を抱いているうちに、DeNAライフサイエンスから「検査完了」のメールが8月28日に届いた。検体を送ってから10日後のことだった。
(次号「私は85歳までは生きないらしい」に続く)
医療ライター
